[Japan In-depth 編集部]【AIが拓くグローバル競争に日本は勝ち残れるか】~アジア・イノベーション・フォーラム 2015~
Japan In-depth / 2015年12月6日 18時0分
富山和彦氏は、「快適ペースを一番弱い人に合わせるのか、一番早い人に合わせるのか? 一番早い人に合わせることだ」と述べ、株式会社国際協力銀行 執行役員・産業ファイナンス部門長の木村茂樹氏は、「失敗したという認識を持って次にいく」とし、政策研究大学院大学・客員教授の黒川清氏によると、「日本人は一生懸命やる。周りを思いやるところは良い。しかし、違った人とパートナーくんだ方が良い」と日本人はもっと多様性、ダイバーシティーに目を向ける必要があると述べた。
一方、衆議院議員 前内閣府副大臣の平将明氏は、最近発表されたロボットの形をしたスマホやら、「ほっとするような電子機器。癒しの日本に期待したい」と日本の特徴を生かしたテクノロジーに期待を寄せた。
最後に、「過去のアセットがライアビリティになるという概念がいけない」と日本大企業の多くが未だ抱くスタンスを批判し、AIをより使いやすく、発揮できる社会の基盤を見直すべきだと出井氏の提言で会議は幕を閉じた。
今回のフォーラムは10年後の2025年を一つの目標として多くの識者が議論した。その中で多くの人が、AIがこれからのビジネスモデルで重要な役割を担う考えで一致した。問題は日本企業がグローバルな環境変化を乗り越えられるかどうかだろう。20世紀型の日本式経営モデルでは到底太刀打ち出来ないと筆者は思う。
一方で、AIの登場で全く新たな革新的プラットフォームを作ることが可能になった。これは日本の企業にとってもチャンスと言える。技術や数々の暗黙知を持つ日本企業が、ビッグデータをAIで超高速処理・分析し生み出す様々な情報を生かすことによって、新たなプラットフォーム企業に生まれ変わる可能性が生まれたのだ。まさに今私たちは、グローバルなスタートラインに立っていると感じた1日であった。
(注1)
CAAC(C-Axis Aligned Crystal)シャープと半導体エネルギー研究所が共同開発した、IGZOを改良した化合物半導体。これにより、中小型FPDの高精細化、低消費電力化、タッチパネルの高性能化といった市場ニーズに応えていくという。
*当日フォーラムと同時進行で開催された「ヤング・アントレプレナー・アワード」の受賞者はSymax社のMs. Maria Tsuruoka氏。当アワードは、起業によって世界を舞台に活躍していこうとする志ある若者を応援する目的で、2012年からスタートした。
Photo ⓒJapan In-depth編集部
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