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モロッコに学ぶインバウンド戦略 その1「ハッサンII世ゴルフトロフィー」& 「ラーラ・メリヤム杯」

Japan In-depth / 2016年6月14日 15時43分

モロッコに学ぶインバウンド戦略 その1「ハッサンII世ゴルフトロフィー」& 「ラーラ・メリヤム杯」

       ラヴォワ・ガニオン クリスティヌ (株式会社CLAGAの創業者兼代表取締役)

2020年のオリンピック・パラリンピックとラグビーワールドカップ決勝戦が東京で開催されると発表されてから、私は欧米観光客を日本に呼び込むためのブレインストーミング・セッションに誘われることが急に増えた。より魅力的な戦略を練りたいというわけだが、特に東京から数時間離れた地域にどうすれば欧米観光客を呼べるかは難しい問題だ。

課題は様々だが、どの地域でもポイントは常に同じだ。例えば、海外の銀行カードを使ったATMでの現金引き出しが不可能であることや、日本では典型的な「1泊2日」の旅行パターンと異なる、長く旅先に滞在したい外国客のためのお手頃価格の宿泊施設不足、などだ。

日本の食事がおいしいのは間違いないが、旅館で出てくる懐石料理を一週間、毎食食べ続けたいという人はいないだろう。ヨーロッパの旅行者は基本、家族と共に最低一週間ほどは同じ場所に滞在したい。朝食は宿で取り、旅先のご当地グルメを楽しみ、夜は「我が家」に戻り静かに過ごす。しかし残念ながら日本にはこういった宿泊施設は滅多になく、国内の地方からは、こうしたヨーロッパの家族連れ旅行客は「来ないで」と言っているかのようである。

よく地方自治体は、地元のエンターテイメント設備の不足を懸念する。地元の方達は素晴らしく美しい環境の中に生活し、働いていると、ついその美しさが盲点となってしまいがちだ。しかし、欧米観光客が飽きっぽくてその地域の自然の美しさに興味を持たない、という心配は実は的外れだ。ヨーロッパの旅行客の習性を知らないばかりか、彼らが何を求めているか直接聞くことすらしてしない。

日本では、地方の「国際化」や観光戦略を立案する組織に外国人が加わっていない。伊勢志摩で行われたG7サミットの準備の段階で、私はその必要性を訴えた。相手(海外旅行客)が求めるものを知らずに努力してもそれは無駄ではないだろうか?

そんな時、国際的なゴルフイベントのコミュニケーション・コンサルタントを務める私の元同僚から、ヨーロピアンツアーのゴルフトーナメント、「第43回ハッサンII世ゴルフトロフィー」が5月初頭にモロッコの首都、ラバトにて開催されるという情報を得た。モロッコは、ヨーロッパ観光客のもてなしに関しては大ベテラン国であり、当ゴルフトーナメントは近々日本で開催される各種国際スポーツイベントにも大変参考になるに違いないと考えた。

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