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自衛隊に駆けつけ警護できる戦闘能力はない その1 情報編

Japan In-depth / 2016年11月1日 18時0分

イラク、アフガンでの戦い以降、個々の将兵に持たせる音声用の個人無線機を支給する軍隊が増えている。また近年では米軍やイスラエル軍のようにクローズドのネットワークのスマートフォンを持たせる軍隊も出ている。このような個人携帯無線機は、現場では隊員相互の意思疎通が円滑になり、効率的な戦闘と、無用な被害を減少させることに非常に有用だ。だが自衛隊には無論これらの装備はないし、調達するつもりもないだろう。

 国内の演習場では無線機が使いものにならないので、演習で隊員たちは私物の携帯電話を使用している。だが東日本大震災では携帯電話の基地局も被害にあって携帯電話が使えなかった。PKOでも同様に私物の携帯電話でコミュニケーションを取ることはできない。意思の疎通ができない「軍隊」実戦でまともに戦えるわけがない。

 現場の情報が不明であれば、敵の規模、味方の位置、民間人がどの程度いるかも不明ということになる。自衛官が間違って自衛官や、味方の軍人、あるいは民間人を殺傷する可能性は極めて大きい。ネットワーク化され、敵味方の識別装置なども導入している先進国の軍隊でもイラクやアフガンでは多くの同士討ちや、民間人に対する誤射が生じている。それが批判されていることはご存知だろう。

故に自衛隊部隊が誤射をする可能性は大きい。現地で自衛官に撃たれた我が子を抱いた母親の姿が世界中に流されたら、誰がどのように責任を取るのか。自衛隊の情報能力が諸外国に大きく劣ることが世間に明らかになれば我が国は威信を失墜するだろうし、抑止力も大きく減退するだろう。そのような自体を政府は想定しているのだろうか、甚だ疑問である。

(その2に続く。全5回。毎日11:00掲載予定)

 (注1)          ヒューミント情報

HUMINTは「human intelligence」の頭文字をとったもの。人を介した情報収集、分析の専門領域のこと。スパイを通じた諜報活動など。

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