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自衛隊に駆けつけ警護できる戦闘能力はない その2 火力編

Japan In-depth / 2016年11月7日 23時0分

ただ、89式小銃も来年度要求では単価は40万円と随分と値上がりしている。安倍政権のGDP増加のためのバラマキ、という可能性もある。仮にMININIの不具合が直っていない状態で派遣部隊に持たせるのであれば、無責任も甚だしい。住友重機のメーカーとしての能力を再検証すべきだ。せめて派遣部隊にはFN社から輸入してオリジナルのMINIMIを持たせるべきだろう。FN社のオリジナルのMINIMIであれば性能は保証され、調達価格も数分の1である。更に申せば、自衛隊のMINIMIは旧式であり、同社ではより性能の向上したモデルを供給している。それを調達するべきだろう。

平地が多い、アフリカのブッシュ地帯では遠方からの敵発見、アウトレンジ攻撃が主である。このため、7.62ミリ機関銃の有効射程は3,000メートル程度である。この距離では第一次世界大戦以来、英軍、ドイツ軍が得意とする機関銃の測量による放物線を描く射撃が使用されるからだる。機関銃の測量射撃による掃射はほぼ直上より音も無く降り注ぎ、弾着してから発射音が聞こえるため、将兵を恐怖のどん底に叩き落とす。機関銃の測量射撃は、以前は防御時に用いられる戦法であったが、GPSやレーザー測距儀などが発達した現代では、RWS(リモート・ウェポン・ステーション)と連動することで攻撃時にも多用されるようになっている。自衛隊のMINIMIでは、この戦法にとても太刀打ちできず、陸自部隊は敵の姿を見ることなく大きな被害を受ける可能性がある。

陸自は40ミリグレネードランチャーの代わりに小銃の銃口に装着する先込め式のライフルグレネードを06年に採用したが、50年代に既に先込め式のライフルグレネードは廃れており、21世になって採用したのは陸自ぐらいだ。40ミリグレネードは元込め式であり、砲身から回転をかけて発射されるため、ライフルグレネードとは比較にならないほど、照準が正確である。またより多くの弾薬を携行でき、照明弾や煙幕弾など多目的に使用できる。更に非致死性・弱致死性の催涙ガスやゴム弾も使用でき、運用の柔軟性が高い上に、暴徒鎮圧にも有用だ。実戦では特に煙幕弾や照明弾が多用される。因みに40ミリグレネード弾の榴弾であれば、25メートルプール半分ほどのエリアでの殺傷能力がある。

対してライフルグレネードは携行弾数が少なく、陸自には攻撃用弾種しか存在しない。しかも価格が高いためか調達は遅々として進まず隊員の間ではその存在が「都市伝説」とすら言われている。防衛省の資料を見る限り、南スーダン派遣部隊は携行していないようだ。

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