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ワシントンvs国民の対立は続く

Japan In-depth / 2016年11月24日 18時0分

リアリティショーの司会をしていた経験もあり、テレビ慣れしていたトランプ氏は、もともとマスコミの操縦方法は長けているといわれていた。が、暴言を吐いて人気急降下する。しかしそうならなかった。安倍編集長は、この結果を受けて「全部計算ずくなのでは。」と考える。信田氏は、「そうかもしれない。彼の発言が飽きられなかった。」と述べた。テレビやインターネットのメディアは長い複雑なメッセージではなく、いかに短いメッセージが効果的に伝わるかが重要になってくる。それをうまく作り上げたトランプ氏のメディア戦術を信田氏は、「まさに小池劇場のようなトランプ劇場」と評した。

それに加え、トランプ氏は女性にまつわる噂話が多くあり、話題を呼んだ。松田氏は、「(選挙に)響かなかったのは意外。」としたが、安倍編集長は、「ゴシップを(メディアは)こぞってえんえんとやっていた。タダで宣伝してくれているようなもの。トランプ陣営の目論見だったのでは、との疑念を抱くほどだ。」と述べた。信田氏は、そういった状況を受けて、「暴言を吐けばはくほどメディアの注目を浴びる。注目を浴びれば支持率が上がるというサイクルになった。」と振り返った。

また、ヒラリー氏の戦略について井上氏は、「そういった彼の暴言をヒラリー側がうまく利用した。」とした。ヒラリー陣営は莫大なお金をかけてCMをつくり、CMでトランプ氏の暴言に反論、ネガティブキャンペーンをして自身を持ち上げるといった手法を用いた。CMは朝から晩まで流れていたそうだ。しかし、井上氏は、そういったCM戦略に国民は、「惑わされなかった。」と話す。

信田氏は、今回の選挙を「これほど不人気な候補者が2人そろった選挙は歴史的にない。」と述べた。ヒラリー氏が予想以上に不人気だったのか、という安倍編集長の指摘に対し、信田氏は「夫(ビル)が不人気。」というヒラリー氏の不人気要因のひとつを挙げた。アメリカでは、「最近の選挙はブッシュ王国とクリントン王国の対立ではないかという見方がある。」という。つまり、ブッシュ家は父子と大統領を勤め、今度は大統領経験のあるクリントン家の妻、という同じ家の人がぐるぐる回るというのはよくないのでは、という見方だ。現に、それを見越していたのか、ジェブ・ブッシュ氏は早々に大統領選から撤退した。

大統領選挙と同時に行われたアメリカの議会選挙。これも上院・下院両方共和党が過半数を獲得。アメリカでは議会の権限が強く、大統領にとって議会との関係も重要だ。しかしトランプ氏に対する反感から、共和党内で対立が生まれているという見方も強い。信田氏は、「トランプもいつ誰に対してどこで、によって発言をころころ変えている。大統領になったらなったで、ちゃんとした立場をとるのではないか。」と見ている。

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