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ワシントンvs国民の対立は続く

Japan In-depth / 2016年11月24日 18時0分

また、大統領になって最初の仕事として政府の編成がある。これのほとんどが上院の承認が必要なため、協力せざるを得ないという。しかし、ホワイトハウスの高官は議会の承認が必要なく、誰がつくかによっては内政や外交がめちゃめちゃになる危険性があると話す。特に、大統領権限が強い外交の分野でそれがいえるという。

以前、共和党の外交安保のエリートはトランプ氏を支持しない共同署名の手紙を書いた。それを受け松田氏は、外交の専門家、エリートはトランプ氏についてくるのか、と疑問を呈す。信田氏は、「トランプの外交アドバイザーはほとんど軍人、ペンタゴン関係者。その人たちが(政府の)長官といったポストはおそらく勤められない。」とした。上院の承認が得られないのでは、という考えだ。そうなった場合、「元々いる共和党のエスタブリッシュメントをおかざるをえない。」という。

また、大統領となった重みというのを感じざるを得ない。」とトランプ氏側も歩み寄ると信田氏は考える。新しい国務長官、国防長官についても、「(誰になるかは)本当にわからない。」とした。ただトランプ政権が1期で終わる可能性も高く、4年間トランプ政権に入ったことによって味噌をつけたくないと考える共和党員もいるという。4年間だけでもいいと言って入ってくる人たちがどれだけいるか、と信田氏は述べた。

日本の安全保障の問題についても、信田氏は楽観視しているという。お金を出せ、核武装しろ、と暴言を吐いていたトランプ氏だが、「トランプの外交アドバイザーである訪日したマイケル・ギーンが言っていたが、大統領になったら日米同盟ちゃんとやっていくと言っている。」と信田氏は述べた。井上氏も、「実際レーガン大統領が選ばれた時も似た感じだった、いざ大統領になったら意外とちゃんとしていて人気者になったという前例もある、おなじようなパターンになる可能性も。」と同じ見方を示した。安倍編集長は、核の傘に頼り、日本の安全保障はこのままでいい、と保守的に考える日本に目を向け、「ショック療法というか、日本の安保を考えるきっかけとなったのでは。」と考える。アメリカのオフィシャルスタンスとしても、たとえば安保法制については日本政府が考えること、アメリカは干渉しないというスタンスだった。大統領が自ら日本の安全保障について介入してくる可能性も出てくるかもしれないと信田氏は話す。

また、TPP法案が先日衆議院で採決されたが、信田氏は「トランプの場合は白紙になる可能性もなきにしもあらず。」と述べた。「今回のTPP交渉、日本はかなり有利な結果で終わっている。日本の交渉団がうまくやった。それを見直すことになりかねない。」と続ける。井上氏は、「アメリカの一般の人はTPPよりNAFTA(アメリカとメキシコとカナダの自由貿易協定)の再交渉。TPPは知らない人も多い。」という。

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