女性の健康、企業成長のカギ
Japan In-depth / 2017年9月17日 16時56分
続いて、小嶋美代子氏(WHI企業コンソーシアムプロデューサー)は「日本の今の最重要課題はダイバーシティの戦略であり、女性の活躍推進でもある。特に女性の活躍を阻むあらゆる問題を解決することへの挑戦は企業にとっても日本にとっても重要である。」と述べた。
そして、企業が女性の健康推進に取り組むべき理由として以下を挙げた。
女性活躍の推進
女性活躍のアクションにコミットすることがすべての企業に当然に求められる時代に。
2、健康対策の拡大
女性の就業人口が増えている一方で、企業の健康対策は男性労働者をモデルとする設計から脱却できていない。
3、労働力の確保
人手不足がバブル期以上に深刻化。女性の採用を拡大し、長期的に活躍し続けられる環境を作ることは企業にとって死活問題。
小嶋氏は、「企業は、それぞれの従業員や社会に対して、人生の選択肢を提供し続けることができる。ライフイベント、身体リズム、病気と仕事の両立等、多様な生き方に合った選択肢を企業が提供することで、個人のQOL向上につなげていく」と述べ、企業が女性の健康を考える重要性を改めて強調した。
▲写真 NPO法人日本医療政策機構 代表理事/東京大学名誉教授の黒川清氏 Photo by Japan In-depth編集部
次に、黒川清氏(NPO法人日本医療政策機構 代表理事 / 東京大学名誉教授)より、キーノートスピーチ「日本の女性の健康施策の展望」が行われた。
黒川氏は、非嫡出子を例に挙げ、「日本は2%以下である。赤ちゃんが生まれた時の登録は正式に結婚している人でないと具合が悪いと皆が思っている社会制度になっている。一方、ヨーロッパ、アメリカは30~40%、北欧では50%超が非嫡出子。」と述べ、「憲法24条で男女平等謳われてきたのに社会制度は変わっていない。」と指摘した。
また、日本の産業界、役所は、同じ業界内で他企業に転じることや異論を唱えるのが難しいというマインドが戦後も変わってないため、「男性にも悲惨な状況がある」と述べた。
女性の社会進出について黒川氏は、北欧では女性が役員や管理職など重要なポストに就く割合を決めている国もあるのに対し、「日本は議題にも上がらない」と指摘した。
黒川氏は、「女性のピルの服用率を上げる等の避妊をしっかりする」ことで、いわゆるできちゃった婚を含む望まない妊娠による中絶、こどもへの虐待、いじめの防止にもつながる、と述べた。
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