覚悟決めた米日、迷走する韓国(下)
Japan In-depth / 2017年9月23日 22時51分
また、トランプ政権の「全ての選択肢はテーブルの上にある」とする対北朝鮮政策について米国を「一貫して支持する」と強調。北朝鮮の脅威に対して「日本は日米同盟、日米韓3カ国の結束によって立ち向かう」と語った。
一方、安倍首相は北朝鮮による拉致問題にも言及した。19日の一般討論演説で拉致された「13歳の少女」に触れたトランプ米大統領と同様に横田めぐみさんの名前を挙げ「一日も早く祖国の土を踏み、父や母、家族と抱き合うことができる日が来るよう全力を尽くす」と宣言した(産経新聞2017.9.21 09:01)
▲写真 横田めぐみさん 出典:政府拉致問題対策本部「拉致された13歳の少女横田めぐみさん」
安倍晋三首相は9月17日(現地時間)にも、米ニューヨークタイムズ(NYT)に「北朝鮮の脅威に対抗する連帯」(Solidarity Against the North Korean Threat)と題して寄稿し、「北朝鮮とさらなる対話は行き詰まりの道」とし、強力な対北朝鮮圧力を国際社会に促した。
2)金正恩の脅迫におびえる文大統領
安倍首相と対照的なのが韓国の文在寅大統領だ。対北朝鮮安保政策での迷走で米日からだけでなく韓国民からも非難が噴出し始めている。文政権は口先では最大の圧力に同調すると言いながら、北朝鮮が6回目の核実験を行った直後に人道支援だと言って北朝鮮に対する800万ドルの支援を決定した。この面従腹背の行動にはさすがに韓国民も唖然としている。
▲写真 日米韓首脳会談に臨む韓国文在寅(ムン・ジェイン)大統領 右は康京和(カン・ギョンファ)外交部長官 2017年9月21日 出典:KOREA.net
北朝鮮の挑発に断固たる姿勢で臨まなくてはならない米日韓協調において足並みを乱しているのが文大統領だ。トランプ大統領は文在寅政権に対して「物乞いのようだ」と痛烈に批判したと言われるが、この発言に反論する余地はない。
この不協和音は、一言で言って、北朝鮮にシンパシーを感じるだけでなく、金正恩の戦争脅迫におびえる文在寅氏の本質的弱点がもたらしたものである。まさにそこを突くことそが金正恩式心理戦の狙いと言える。北朝鮮が完全に核ミサイルを完成させれば、文政権によって米日韓協調体制が崩される可能性は否定できない。韓国国民の安保不安は日増しに深まるばかりだ。
こうした中、文在寅大統領の支持率は4週連続で低下し、60%台に落ちている。世論調査会社リアルメーターの11-13日の調査の結果(66.8%)に続き、韓国ギャラップの12-14日の調査の結果(69%)でも支持率低下は鮮明だ。支持率を背に国政運営をしてきた文政権としては、1カ月間続いた支持率低下は深刻だ。
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