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再現なるか 94年“米朝衝突回避劇”

Japan In-depth / 2017年10月20日 9時2分

再現なるか 94年“米朝衝突回避劇”

山崎真二(時事通信社元外信部長)

 

【まとめ】

・米朝問題で「キューバ仲介説」浮上するも、米とキューバの関係を考えるとありえない。

・キーパーソンとして北朝鮮と太いパイプをもつ元・米国国連大使で現民主党ビル・リチャードソン氏浮上。

・米朝秘密折衝が頓挫すれば、リチャードソン氏中心に’94年“米朝衝突回避劇”が再演される可能性も。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=36802で記事をお読みください。】

 

 米国と北朝鮮の軍事的緊張が続く一方、双方の対話の可能性も取りざたされている。果たして、軍事衝突を避ける道が開かれるのか。

■あり得ない「キューバ仲介」 

 「ドイツのメルケル首相が北朝鮮との交渉参加の用意」、「スウェーデンが仲介の可能性」、「北朝鮮がロシアに仲介要請か」。米朝対話の仲介をめぐりこんな報道が乱れ飛んでいるが、現時点ではいずれも単なる推測の域を出ていない。とりわけ、「キューバ仲介」説まで飛び出したのには驚かされる。

この説の背景には、北朝鮮とキューバの関係が非常に緊密との見方がある。確かに、同じ社会主義国同士として長年に渡り友好関係を維持しているのは事実。最近の例を挙げれば、昨年11月、キューバのカストロ前国家評議会議長の死去に際し、北朝鮮は朝鮮労働党最高幹部らから成る弔問団をハバナに派遣。一方、金正恩・党委員長自ら、平壌のキューバ大使館を弔問した。

▲写真 カストロ キューバ前国家評議会議長 Photo by Roberto Di Fede

今年1月、金委員長は崔龍海・党中央員会副委員長を特使としてハバナに派遣、同副委員長は、キューバの次期最高指導者と目されるミゲル・ディアスカネル国家評議会第1副議長と会談。9月9日の北朝鮮の建国記念日には、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長が金委員長宛に祝電を送っている。

▲写真 ラウル・カストロ氏 Photo by Valter Campanato

両国の緊密な関係に加え、日本がキューバと良好な関係を保っていることが「キューバ仲介」説のもう一つの根拠。加えて、キューバは中国やロシアとの関係も良好。そこで「日本が米朝対話の実現に向けキューバに働きかけ、キューバが中国やロシアとも協力しながら北朝鮮に話をつなぐことは可能」(ニューヨークの国連関係者)というわけだ。

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