再現なるか 94年“米朝衝突回避劇”
Japan In-depth / 2017年10月20日 9時2分
▲写真 北朝鮮で記者会見に臨むオットー・ワームビア氏 2016年2月29日
flickr : Karl-Ludwig Poggemann
同氏と北朝鮮の“付き合いは長い”が、特筆すべきは金正恩政権の対米交渉の重要人物である韓成烈外務次官(米国担当)と「旧知の仲」(朝鮮総連幹部)であることだ。周知の通り1994年の第1次北朝鮮核危機のさなか、米国の対北軍事攻撃計画が浮上した際、カーター元大統領が訪朝、金日成主席(当時)との会談の結果、軍事衝突が回避されたが、この訪朝をめぐる水面下の交渉の北朝鮮側担当者が韓成烈氏だったのは知る人ぞ知る事実。当時、同氏は北朝鮮の国連代表部の公使だった。
▲写真 金日成主席(当時)と会談するカーター元米大統領 1994年
出典)History News Network
国連本部政治局の高官によれば、リチャードソン氏は1997年に国連大使に就任した直後から韓成烈氏と一定の信頼関係を築き、韓氏が北朝鮮外務省の北米副局長に転任してからも緊密な連絡を維持。
韓氏が2002年~2006年および2009年~2013年ニューヨークに戻り、国連次席大使を務めた間、両者は信頼関係を深めたという。リチャードソン氏は両親が中米出身でスペイン語に堪能、韓氏もキューバ在勤の経験があり、スペイン語が達者。そうした事情もふたりが個人的に懇意になった要因のようだ。
韓成烈氏は2013年帰国後、北米局長を務めた後、昨年から外務次官に就任した。韓氏の後任の北米局長が金正恩委員長の信頼が厚いといわれる崔善姫氏。崔氏は’90年代前半から米朝の公式、非公式協議に通訳として加わったばかりでなく、「女性外交官としても有能」(前述の国連政治局高官)と評価されており、リチャードソン氏とも長年の知己だ。
■“米朝衝突回避劇”再演の可能性
崔氏は現在、対米交渉担当者、そしてその直接の上司が韓成烈外務次官。この北の対米交渉チームと太いパイプのある人物はリチャードソン氏のほかには米官界、政界ではほとんどいないだろう。
9月末、ティラーソン国務長官は訪問中の北京で、北朝鮮との間で「2,3の対話ルートを持っている」と述べ、両国間で接触していることを明らかにした。同長官の言う「対話ルート」としては、北朝鮮当局者と元米政府高官らによる「1・5トラック」(半官半民協議)や北朝鮮の国連代表部高官と米国務省当局者とのニューヨーク・チャンネルが頭に浮かぶ。
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