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ウェブメディア猛攻 新聞の漂流止まず【2018:メディア】

Japan In-depth / 2018年1月3日 13時37分

 

そうした中、HPVワクチンの安全性を検証する発信を続けてきた医師でジャーナリストの村中璃子氏が2017年11月30日、イギリスの一流科学誌「ネイチャー」元編集長の功績を記念したジョン・マドックス賞を日本人として初めて受賞した。同賞は科学界のピューリッツァー賞に相当するくらい権威あるもので、日本でのワクチン接種率が大きく落ち込んだ原因となった情報キャンペーンを厳しく批判している。

写真)村中璃子氏

出典)John Maddox Prize 2017

 

しかし、大手新聞・テレビは村中氏の受賞を積極的に報じようとはしなかった。一方で詳細な記事を書いたのはやはりウェブメディアだった。Japan In-depthチャンネルでも村中氏を招いてネット放送したが、こうしたニュースこそ読者にとって知りたい情報であろう。一度、ウェブメディアでこうした報道に触れた読者は既存メディアに対する信頼を失うのではないか。このことこそ、最も深刻な問題であると考える。既存メディアがこの問題を取り上げない背景を村中氏が受賞スピーチ「10万個の子宮」で述べている。興味ある方はぜひ読んでもらいたい。

 

ネットメディアの攻勢止まず

 

こうした既存メディア、特に新聞のもたつきを尻目に、ウェブメディアの攻勢は止まらない。直近では、「#Metoo(私も)」報道が記憶に新しい。火が付いたのは去年の秋のこと。ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏によるセクハラについて、女優のアリッサ・ミラノ氏が10月15日にTwitterで、「過去にセクハラや性暴力を受けた経験のある人は、この“#MeToo”ハッシュタグで声を上げて」と呼びかけたのだ。

写真)ハーヴェイ・ワインスタイン氏

Photo by David Shankbone

写真)アリッサ・ミラノ氏

出典)@Alyssa_Milano

 

[embed]https://twitter.com/Alyssa_Milano/status/919659438700670976[/embed]

アリッサ・ミラノ氏のTweet

 

 

そして日本においてこの「#Metoo問題」に火をつけたのは、ウェブメディアだった。「BuzzFeed Japan」が去年12月に作家のはあちゅうこと伊藤春香氏が過去に受けたセクハラについての記事、「はあちゅうが著名クリエイターのセクハラとパワハラを証言 岸氏「謝罪します」を配信したのだ。

 

伊藤氏の問題を後追いの形で新聞も報じたが、それに先立ちジャーナリストの伊藤詩織氏が去年、元TBS記者からの性暴力被害を告発した問題も含め、ネットメディアの報道が質、量ともに目立った。ここでも新聞は読者の知る欲求に迅速にこたえているとはいいがたい。

 

漂流する新聞はどこにいくのだろうか。その先がナイアガラの滝つぼでないことだけを祈る。

 

 

 

トップ画像:Photo by brotiN biswaS

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