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ワイドショーがテレビを殺す 【2018:メディア】

Japan In-depth / 2018年1月4日 18時0分

特に去年10月の衆議院選挙。小池氏が希望の党を立ち上げ、その後勢いが急速に萎んだことに関し、原因は「排除の論理」を安易に口にした小池氏の「驕り」のなせる業だ、との分析がテレビではまことしやかに語られているが、果たしてそうなのか?

小池氏が希望の党を立ち上げなければ、そもそも野党は分裂しなかった。民進党丸のみなんてしていたら、それはそれでテレビは猛バッシングしたはずだ。民主党の時代から、「右から左まで」揃っているから何も決められない、と批判してきたではないか。

小池氏の一番の功績は、野党を分裂させたことであろう。左派が民進党から出ていき、同床異夢的な野党はとりあえず無くなったのだから、将来の2大政党制の道筋をつけた、ともいえるのだ。しかし、そうした評価はついぞ聞こえてこない。ただただ結果をネガティブに見るだけでは、視聴者にとって有益な情報を提供しているとはとても言えない。それこそ放送法の精神に反しているのではないか?

豊洲の汚染水問題にしても、あれほど専門家が開場しても問題ないレベル、と言っているのに大騒ぎし、その後移転が決まったらちっとも報道しないのはどうしたことか?汚染水の問題もさることながら、施設の使い勝手の悪さや、環状2号線未開通で起きる一般道の交通渋滞の問題、築地の「食のミュージアム」の行方と豊洲市場との両立の現実性などを継続して報道することこそ、視聴者のニーズにこたえることになりはしないか。

写真)豊洲市場 水産卸売場棟①地下ピット内の様子(平成29年1月19日撮影)

出典)東京都中央卸売市場

 

・不倫報道

年末にどこかの番組で去年1年間の不倫報道の総ざらいをやっていたが、芸能人か政治家の不倫報道がない月はなく、苦笑した。ワイドショーもネタに困らないというわけだが、それにしても政治家の不倫報道をえんえんと時間かけてやるべきものなのか議論の余地がある。

そもそもそうしたネタは週刊誌の十八番だったはず。かつてはそこには何らかのすみ分けがあった。なのに今やテレビは週刊誌に書かれた内容をそのまま垂れ流すことに何の躊躇もなくなってしまった。

最近は週刊誌もデジタル戦略に長けてきて、スクープ映像などを有料配信している。直近では女優と某テレビ局プロデューサーを週刊誌の記者が直撃した映像がネットで配信されたが、テレビはちゃっかりそのビデオをそのまんま番組で流していた。もうプライドも何もあったもんじゃない。他人のふんどしで相撲取ってまで視聴率を稼ぎたいのか、と開いた口がふさがらない。

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