真夏の東京五輪、見直すべき
Japan In-depth / 2018年2月17日 12時0分
▲写真 1964年東京オリンピック 出典:youtube : the Complete Tokyo 1964 Olympics Film | Olympic History
その思いが通じたのか、翌10日は真っ青に晴れ渡りまさに秋晴れのオリンピック日和となった。オリンピック成功の第一条件は何といっても天気だった。会場施設やグランドコンディション、障害者に対する対策などハード面と同時に、主催国国民の受け入れ対応などソフト面のもてなし方なども求められるが、何といっても誰もが気にしたのは気温や湿度、晴天か雨天か――など天気の状況だった。その意味でも主催国、アスリートや観客にとって最も心地よい季節を選択することが最重要課題だったのだ。
■ 欧米スポーツシーズンに遠慮
しかし2020年の東京五輪は真夏の8月に行うことを選択した。なぜ8月を選んだのか、五輪組織委員会がきちんと説明したという記憶はない。ただ巷間ではヨーロッパのサッカーシーズン、アメリカの大リーグ野球の最盛期とぶつかるので日本が欧米の人気スポーツシーズンを避けるよう忖度してずらしたのではないかとみられている。
しかし欧米のプロスポーツのシーズンに遠慮して世界のアマチュアスポーツの祭典・オリンピックの開催日をずらしたとするなら、その不見識は世界から批判されることになるだろう。もし、期間中に熱中症などで選手や観客が数多く倒れたりしたら、それこそ日本のスポーツに対する考え方に対し根本から疑義を持たれるのではないか。
折しも1月4日付けの読売新聞夕刊1面トップ記事で「東京五輪 危ない暑さ」「新国立競技場 熱中症“最悪25日超”」という環境省調査の記事が掲載された。
環境省が競技会場周辺の14ヵ所で、17年7月中旬から9月中旬の約2ヵ月間にわたり熱中症の危険性を示す国際指標の「暑さ指数」を測定した結果、最も高い危険性がある「暑さ指数31」のレベルに達した日が新国立競技場など4ヵ所で25日以上あったというのだ。
そのほか危険な暑さ指数が5日以上から19日間あった会場は馬事公苑で19日間、幕張メッセ(レスリング、フェンシング)で14日間、釣ヶ崎海岸(サーフィン)が11日間、など14会場で記録された。なかでも陸上競技を行なう新国立競技場、サッカー・ラグビーを行なう東京スタジアム、ゴルフの霞ヶ関カントリークラブ、サッカーの埼玉スタジアムはいずれも暑さ指数が31以上となる日が25日から27日間あったとしている。まさに暑く蒸し暑い中の東京オリンピックとなる可能性が大きいことがわかったのである。
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