核テロへの備え 福島原発事故の教訓
Japan In-depth / 2018年4月16日 0時0分
この点で、森田知宏医師の活動は示唆に富む。彼は4年にわたり、浜通りで生活し、診療している。原発事故が社会に、どのような長期的な影響を与えたか肌感覚でわかっている。だからこそ、今回、ご紹介したような論文を発表することができた。森田医師は相馬市に移住してからの4年間で30報の英文論文を発表した。うち11報は筆頭著者だ。福島原発事故が社会に与えた影響を記録する貴重な資料だ。彼や坪倉正治医師の研究は世界中の研究者が注目している。
実は、彼らの論文に注目しているのは、医療関係者だけではない。米国の軍事関係の研究者も、彼らにアプローチしてきたという。その理由は「米国の都市が核攻撃やテロに遭った場合の対応を検討しているから」だ。こうやって、彼らの研究は冒頭でご紹介した核テロの論文へと繋がる。
温暖化とともに自然災害が増加している。核テロや攻撃のリスクも高まっている。東日本大震災・福島第一原発事故の経験は貴重だ。世界で共有しなければならない。どうすればいいのか。森田医師の存在は示唆に富む。現場に入り、診療し、そして書くことだ。理屈をこねるのではなく、行動しなければならない。
トップ画像:森田知宏医師(左)と坪倉正治医師(右)2015年2月10日、英国のエジンバラ大学から招聘され、研究成果を発表した。
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