自衛隊制服は中国製で構わない
Japan In-depth / 2018年5月18日 11時48分
文谷数重(軍事専門誌ライター)
【まとめ】
・陸上自衛隊が制服を高額な国産品に変更。
・安価な外国産にすれば、防衛予算への負担も小さく更新ペースも上がる。
・制服は儀礼と事務作業でしか着ないが高額で低品質。
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陸上自衛隊が制服を変更した。常装と呼ばれるスーツ型制服を緑色から黒に変更した。これらは儀礼や事務作業等で用いられる被服である。
▲写真 変更前の緑色の制服 平成22年度自衛隊記念日 観閲式(Parade of Self-Defense Force) 出典:photo by Rikujojieitai Boueisho
更新には長い時間を要するという。高額な国産品のため予算的に一挙更新できないからだ。また従来の緑色タイプも大量在庫している。無駄にしないためには一部の隊員にはそれを与えなければならない。
だが、制服は国産でなければならないのだろうか?
別に中国製でも構わない。所詮は事務服である。海外製でも全く問題はない。より工賃が安いベトナムでもカンボジアでもバングラデシュ、北朝鮮で縫製しても構わない。むしろそうすべきである。自衛隊衣服はヨリ安価となる。防衛予算への負担も小さく、更新ペースも上がる。しかも工賃低下により工数も増やせる。縫製もヨリ丁寧となる。
■ 制服で戦争はしない
自衛隊制服は安価な海外縫製とすべきである。その理由の第1は「制服では戦争をしない」ためだ。
自衛官には別に実戦用の被服がある。各種の戦闘服や作業服がそれだ。野戦や基地警備であれば迷彩の戦闘服を着用し、靴も陸戦靴になる。艦船や航空機の整備、物資輸送や土木工事では各種の作業服と安全用の靴となる。艦船のように火災対策が必要なら防火機能、電子整備なら静電加工、寒冷地なら防寒タイプの服を着る。
逆にいえば制服は儀礼と事務作業でしか着ない。スーツ型、あるいは詰襟服やセーラー服、正帽、革靴(自衛隊では短靴という)はその程度のものだ。しかも着るのは概ね幹部(士官)だけである。現場作業をしないため仕方なく着ている。対して曹士(下士官・兵)は儀礼以外は作業服を着ている。着心地がいいからだ。
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