追悼 マケイン議員との忘れ得ぬ語りあい
Japan In-depth / 2018年8月28日 9時59分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視 」
【まとめ】
・ベトナムの捕虜から大統領候補へ“英雄”マケイン上院議員が死去
・ベトナムについて語り、静かに耳を傾けるマケイン氏との語りあい
・一外国人記者に熱く真摯に向き合ったマケイン氏の内なるベトナム
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ワシントン市内には8月26日、各所に半旗が目立った。連邦議会の議事堂の星条旗がふだんの半分の高さに掲げられたのがその代表例である。みな前日の25日に死去したジョン・マケイン上院議員への弔意の表明だった。
マケイン氏はいまのアメリカでも最も有名な政治家の一人だったといえよう。いや政治の領域を越えて、国家の英雄という古い言葉でもそう的外れではない著名な存在だった。多くのアメリカ国民に好かれ、敬われていた。81歳、脳腫瘍だった。
私にはこのマケイン氏との忘れ難い語りあいの思い出がある。
その前に彼の経歴を紹介しておこう。
▲写真 ジョン・マケイン上院議員(2017年11月14日)出典:マケイン氏Facebook
マケイン氏の最近の政治歴で最も顕著なのは2008年の大統領選への立候補だろう。
共和党側での激烈な予備選での指名争いを勝ち抜いて、同党の公認候補となったマケイン上院議員は11月の本選では民主党新人のバラク・オバマ候補と対決して、敗れた。
マケイン氏の政治歴は1983年にアリゾナ州選出の連邦議会下院議員となってから、87年には上院議員へと転じ、その後の30年余り、アメリカ国政の最高府の上院で幅広く活動してきた。保守派穏健の基本路線だが、防衛や軍事となると、強固な政策を主張した。
マケイン議員はトランプ大統領には同じ共和党ながら賛成しない場合が多かった。同大統領が精力を注いだオバマケアの破棄と代替の医療保険法案にはマケイン議員は最後まで反対して、可決を阻み、同大統領をくやしがらせた。
マケイン氏は祖父も父も海軍大将だったという軍人一家の出身で、海軍士官学校を卒業して海軍入りした。ベトナム戦争では海軍のパイロットとして北ベトナムに何回も出撃し、1967年にはハノイ上空で撃墜され、捕虜となった。5年半の苛酷な拘留を生き延びて、1973年にはパリ和平協定により解放された。
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