朝韓中が画策「米朝終戦宣言」(下)
Japan In-depth / 2018年9月11日 18時55分
朴斗鎮(コリア国際研究所所長)
【まとめ】
・「終戦宣言」は準平和協定に同じ。韓米連合体制瓦解もたらす。
・「非核化前の終戦宣言」なら南北による「対トランプ欺瞞策」は成功。
・「非核化先行」の原則をトランプ大統領が守り通せるかが焦点。
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■ 「非核化交渉」に「米朝終戦宣言」を絡める南北首脳
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9月7日、インドネシア紙「コンパス」に掲載された書面インタビューで「韓半島の非核化と平和定着について、年末までに後戻りできないほど進めることが目標」と明らかにし、そのために年内の終戦宣言採択に向けた戦略推進を本格化する構えを見せた。
通常「終戦」が「戦争による征服」の方法で終わる場合は、「戦争の終結」と「平和の回復」は「戦勝国」が一方的に「終戦を宣言」する方法で行われる。この場合の代表的な事例としては、第二次世界大戦や太平洋戦争の終戦処理過程がある。
しかし、フランスのパリで、1968年5月13日から北ベトナムと米国の間で始まり、1969年1月25日からは南ベトナム政府と南ベトナム解放民族戦線が加わって、4者による会談となった「ベトナム戦争終結のための交渉」は、過去とは異なる新しい形態の「終戦」、すなわち「戦勝国」も「敗戦国」もない「終戦」をもたらした。
そしてそれは、1973年1月27日に「ベトナムでの戦争終結と平和回復のための協定」(Agreementon Ending the War and Restoring Peace in Vietnam)へとつながり、アメリカは南ベトナムから全軍隊を撤収した。戦争の早期終結による「ベトナム脱出」を急いだ米国が、過去の終戦方式を放棄して、共産主義陣営の主導した方式で戦争を終わらせたのである。
▲写真 1973年1月27日、協定調印の様子 出典:Knudsen, Robert L.
その結果、武力による南北ベトナムの統一がもたらされたが、43年が経過した今、朝鮮半島で「パリ和平交渉」の焼き直しともいえる「米朝終戦宣言」が持ち出されている。金正恩政権と文在寅政権はいま共同作業によって「米朝終戦宣言」→米朝平和協定→在韓米軍の撤退とのプロセスを「朝鮮半島非核化交渉」に絡めて進めているのである。
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