1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

朝韓中が画策「米朝終戦宣言」(下)

Japan In-depth / 2018年9月11日 18時55分


▲写真 米韓の軍人が合同演習で火を消す様子 出典 U.S Forces Korea


3つ目は、西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)の消滅だ。


NLLは韓国戦争(朝鮮戦争)後にクラーク国連軍司令官が南北間の衝突を防ぐために設定した。したがって終戦宣言をすればNLLはもはや有効でないというのが韓国元外交部当局者の解釈だ。問題はNLLがなくなれば南北間には領海(12海里)だけが認められる。領海の外側の公海で北朝鮮の出入りが自由になる。北朝鮮の海軍がペクリョン島や延坪島(ヨンピョンド)の後ろを通過し、仁川(インチョン)沖まで接近することもあるということだ。この場合、西海平和水域は容易に形成されるが、北朝鮮はいつでも奇襲攻撃ができる。南北間の海上衝突の可能性がさらに高まるという逆説が生じる。



▲写真 NLLのイメージ画像 出典:Midway


4つ目は韓国の軍事作戦計画の弱化だ。終戦した以上、北朝鮮の挑発はないという仮定のもとで作戦計画の全般的修正が避けられない。したがって作戦計画は守勢的になるのが明らかだ。作戦計画が守勢的に変われば、対応態勢も弱まり、軍は弛緩する可能性がある。


すでに今年の国防白書で「北朝鮮軍=主敵」概念を削除し、大量反撃報復戦略で「斬首」という用語も使っていない。さらに韓国軍の攻撃的で威力が大きい武器体系の確保は制限されるだろう。しかし北朝鮮の核兵器は増え、2020年には最大140-150個になるという計算が現在の現実だ。それだけに北朝鮮の非核化において挑発要因を完全に除去しない状態での終戦宣言は、我々が自ら武装解除する姿になるしかない(「中央日報」日本語版2018年08月24日)


 


■ 「米朝終戦宣言」は盧武鉉政権時代にも持ち出された


朝鮮半島の終戦宣言は4・27板門店(パンムンジョム)首脳会談で南北が合意した事案だが、過去盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領当時にも推進された。2006年11月にハノイで開催された韓米首脳会談で、ブッシュ米大統領は北朝鮮が核開発を放棄する場合の「韓国戦争(朝鮮戦争)終了宣言」を提示した。この提案は盧政権で終戦宣言と平和協定の段階的推進という構想に発展した。首脳らが会って終戦宣言を発表して北朝鮮核廃棄の動力を確保した後、北の核が完全に廃棄される時期に恒久的な平和協定を締結するという2段階プロセスだ。こうした盧政権の構想は1年後、第2回南北首脳会談で発表された「10.4宣言」(2007年10月)で「終戦宣言の推進に協力する」という形で整理された。しかし終戦宣言の推進は北朝鮮の2回目の核実験(2009年5月)で消え去った。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください