1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

朝韓中が画策「米朝終戦宣言」(下)

Japan In-depth / 2018年9月11日 18時55分

 


■ 終戦宣言の危険性


こうした視点から専門家は「米朝終戦宣言」がもたらす危険な結果を次のように指摘している。まず、終戦宣言は文在寅大統領の解釈のように単純な政治的宣言でなく、客観的には準平和協定である。平和協定の効果をもたらすという点だ。


ソウル大ロースクールのイ・グングァン教授は「(終戦宣言が)地球上最後の冷戦地域と呼ばれる韓半島(朝鮮半島)の戦争状態を終了させる政治的・外交的・軍事的意味を持つ」とし「戦争の終了、平和条約の締結など国際法上の重要な範ちゅう」と主張した(『韓半島終戦宣言と平和体制樹立の国際法的含意』)。



▲写真 イ・グングァン教授 出典:ソウル国立大学公式HP


ドイツ駐在韓国武官だったキム・ドンミョン氏は、平和協定が締結されるには韓半島(朝鮮半島)に戦争が再発する危険があってはならないと主張した。そのためには南北間の戦争の根源である核が、終戦宣言や平和協定の前に除去されなければいけないということだ。


ところが米情報当局を引用した海外の報道によると、北朝鮮は現在60個ほど核弾頭を保有し、さらに生産中だ。戦争の要因が除去されるどころか、むしろ大きくなっているという。したがって彼は、韓国政府は終戦宣言を急ぐ前に北朝鮮に非核化を先に促す必要があると主張する。


準平和協定の意味を持つ終戦宣言は、韓米連合体制の瓦解をもたらす。まず、在韓米軍の撤収と国連司令部の解体だ。


この2つは北朝鮮が1975年に国連総会で主張して以来、常に言及してきた。北朝鮮は終戦宣言と共に平和協定の議論が本格化すれば在韓米軍と国連司令部の問題をまた持ち出すというのが専門家らの予想だ。もちろん在韓米軍は韓米相互防衛条約に基づいた韓米同盟レベルで駐留していて、終戦宣言や平和協定とは関係がない。国連司令部の解体も米国の所管というのがガリ元国連事務総長の北朝鮮に対する公式答弁だった。



▲写真 在韓米軍の様子 出典:U.S Forces Korea


そうであっても問題は、終戦宣言をすれば在韓米軍と国連司令部の存続に影響が及ぶという点だ。さらに韓国政府があいまいな態度を見せて反米世論を動員すれば韓米同盟は打撃を受ける。


2つ目は、終戦宣言をすれば、韓米連合訓練が中断せざるえないことになる点だ。南北と米国が戦争終了を宣言すれば、北朝鮮の挑発に備えた連合訓練をする名分はなくなる。在韓米軍が韓国軍と訓練をしなければ駐留自体が難しくなる。訓練しない軍隊は存在理由がないからだ。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください