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またもや米新聞の偏向報道?

Japan In-depth / 2018年9月20日 11時53分

 


そんななかでワシントン・ポスト紙が8月末に「トランプ・安倍両首脳衝突」説報道した。緊密な日米両首脳が不仲になったという趣旨の記事だった。トランプ大統領にとって外交上の誇るべき実績と呼べる一つは日本の安倍晋三首相との連帯の強さだろう。同大統領は同じ同盟諸国のトップでもドイツのメルケル首相やカナダのトルドー首相らとは摩擦を起こしてきた。


 


トランプ大統領にとってその一番の盟友の安倍首相との関係も悪くなったとなれば、好ましい現象であるはずがない。ワシントン・ポストのこの記事はまさにトランプ氏のその急所を突くかのように、「トランプ・安倍不仲」説を報じたのだ。トランプ大統領にとっては限られた貴重な外交資産を奪われるような報道だろう。


 


安倍首相にとってもこれまでみごとに築いてきたとされるトランプ大統領との緊密な信頼関係がもうダメになったとなれば、うれしいはずがない。だからこの記事は日米両首脳にとって鋭い矢のような襲来だった。


 


しかし肝心の安倍首相はこの記事の核心部分を否定した。公式の発言として、そんな事実はないと述べた。総理大臣の言葉なのだから日本政府としての公式な否定と呼んでもよいだろう。


 


 だがその報道自体はなお屈折した波紋を広げる。アメリカ発の日本がらみのこの種の報道はこれからもあるだろう。だから私は自分なりにこの記事の解析を試みた。その解析の結果、浮かんだのはまず反トランプ、反安倍ありき、という政治的な偏向だった。


 


ワシントン・ポストで国務省などを担当するジョン・ハドソン記者が中心になって書いたというこの記事は8月28日の同紙ネット版で流された。9月3日には少し短縮され、同紙の一般紙上に掲載された。




長文の同記事の第一の特異点は冒頭のトランプ大統領が口にしたという「私は真珠湾を覚えている」という言葉である。記事によると、同大統領は6月の首脳会談で安倍首相にこの言葉をぶつけたという。だからトランプ・安倍関係はもう悪くなった、という示唆である。


 



写真)日米首脳会談(6月7日)


出典)photo by Dan Scavino Jr.


 


「真珠湾を覚えていろ」というのは、本来はいうまでもなく、日米戦争の冒頭での日本軍によるハワイのパールハーバー奇襲を忘れるな、という反日の敵意に満ちた戦意高揚の戦争標語だった。アメリカ一般のこの文脈での真珠湾への言及は文章としては命令形で「真珠湾(への日本軍攻撃)を覚えていろ(忘れるな)」が普通である。


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