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またもや米新聞の偏向報道?

Japan In-depth / 2018年9月20日 11時53分


写真)北村滋内閣情報官


出典)内閣官房ウェブサイト



写真)金聖恵(キム・ソンヘ)統一戦線策略室長


出典)Photo by Shealah Craighead


 


同記事はここから一気に日本政府がアメリカ政府にこの会談を事前に知らせなかったことがトランプ大統領と安倍首相の仲を悪くしてしまった、というところまで持っていく。だがこの帰結には無理がある。北朝鮮とのその種の接触は日本、アメリカの両政府はともに、独自の方法や思考によって実行しているからだ。その種の細かい会談をすべて相手の政府に知らせなくても、それほど不自然ではないだろう。


 


いすれにせよ、拉致問題での日米間のやりとりは幅広く、多層であり、この一件で両首脳が不仲になるという構図はまったく浮かんでこない。「日朝接触の情報留保→→日米首脳が不仲に」という因果関係の図式はまるで説得力がないのである。


 


それよりも懸念されるのはこの日朝高官接触の情報は明らかに日本側のどこからかの意図的なリーク(機密漏洩)である可能性だろう。日本政府内の秘密情報がアメリカの新聞で流される。日本国内でさえ、秘密にしておくべき一件がワシントン・ポストに載る。


 


この情報自体は日米両政府間でも、またトランプ政権にとってもたいしたことはないだろう。だが日本政府にとっては秘密の情報の不当な漏れなのだ。日本政府の誰がワシントン・ポスト記者にこの情報を流したのだろうか。その情報が日米両首脳の不仲説の補強材料に使われるというのは、これまた異様な話である。


 


同記事の偏向を印象づける第三の特徴はトランプ・安倍関係の悪化を示唆する情報源はすべて匿名なのに、実名を出す情報源としては日米交渉とは遠い距離にある特定の日本人研究者単独の見解に大幅に依存している点だった。


 


同記事はワシントンの半官の研究機関ウッドロー・ウィルソン・センターの上級研究員、後藤志保子氏の言葉を再三、引用していた。次のようなコメントだった。



「安倍首相はトランプ大統領との関係が日米二国間の強力な関係をもたらすことを希望した。だが首相は安全保障と経済の両面で大きく挫折してしまった」


「トランプ大統領の日本経済観は1980年代、90年代の認識に依存しており、今日の現実をみていない。同様に同大統領の世界観、とくにアジア観も現在ではなく、第二次大戦時のそれと同じだ」



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