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仏、「貧困の連鎖」断ち切れるか

Japan In-depth / 2018年9月22日 19時1分

もちろんながらフランス各地に点在する貧困者を対処にした措置ですが、その貧困者が多く住んでいる地域を見てみると、65%は町に住んでおり、集中している地域があることが分かっています。


下記は、フランスの貧困者の住む地域の分布図となります。



▲引用元:observatoire 2017


貧困層が多い地域は過去に繁栄した歴史がある工業地帯周辺に集中しています。例えば、パリの北に位置するサンドニ、マルセイユを中心とした南仏、リールなどがあるノール県など。60年代に、経済活動のためにやってきた移民たちが住んでいた都市がほとんど。


これらの元工場地帯では、めざましい高度経済成長期に集まった労働者や家族が住むために、1980年代にHLM(低家賃住宅)が建設されました。もちろんHLM建設時には現地人系のフランス人が優先的に入居したのですが、約半分は60年代から労働者としてやってきた移民とその家族でした。しかしやがて仕事もあって収入もあり、それなりに生活していける平和な日々に終わりがやってきます。


経済成長期が終わり労働者家族の生活が厳しい状況にさらされることになったのです。経済が低迷したことで若者を中心に失業者が増大、そのしわよせを大きく受けたのは特に人種の違う移民2、3世の若者たちでした。仕事を探すものの人種による壁は厚く仕事は見つかりません。特に若者が高い失業率となり大問題になりましたが、現在でもその影響を強く受けています。



▲写真 SurvilliersにあるHLM 出典:P.poschadel


だいたい、どの国でも就職するには教育を受けたと言う卒業証書、資格が重要になってきます。フランスでも、近年は国民の88%が各分野でバカロレア(高校卒業資格)を取得し、就職するにも学歴が重視されるようにもなってきました。しかしながらそんな中、貧困者のディプロム取得率は低く、貧困者の33.2%はなんの資格ももっていません。(参考資料)資格もなければ就職もままならず、仕事もなければまた貧困の生活を強いられ、貧困が連鎖していく。フランスでは一度貧困になれば、抜け出すことはとても難しい現状がそこにあります。


そんな貧困家庭の子供達を支えるための教育をするはずの学校も、地域による格差が大きく、特に貧困層が通う地域の学校のレベルの低さが指摘されています。移民が多いからと言う声も大きく聞こえますが、それよりも、各家庭の環境とフランスの教育システムの不一致を的確にとらえた教育対策が行われてこなかった結果ともとらえることができるのではないでしょうか。


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