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“本土の反対運動を懸念し沖縄に海兵隊移転”は本当?

Japan In-depth / 2018年10月4日 0時10分

“本土の反対運動を懸念し沖縄に海兵隊移転”は本当?


楊井人文(FIJ事務局長、弁護士)


Japan In-depth 編集部(佐藤瑞季)


【まとめ】


・百田尚樹氏“日米両政府が本土の反対運動を懸念し沖縄に基地を移転させたという事実はどこにもない” → 誤り


・1950年代、本土で基地反対運動が激化し、米軍基地が大幅に削除されたことは事実。


・同時期に沖縄では海兵隊が移転するなど米軍基地が拡張されたことも事実。


 


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=42307でお読み下さい。】


 


沖縄県知事選で、自民党総裁選に立候補していた石破茂元防衛相が沖縄に米軍基地が集中した理由について述べた発言が、動画から削除されたという出来事があった。9月13日付沖縄タイムスの記事によれば、動画には当初、次のような発言が含まれていた。


「1950年代、反米基地闘争が燃えさかることを恐れた日本とアメリカが、当時まだアメリカの施政下にあった沖縄に多くの海兵隊の部隊を移したからだと聞いている」


「岐阜や山梨に海兵隊の司令部があり、本土のあちらこちらに散らばっていた。それを沖縄に集約するような形で、こんにちの姿ができあがった。このことを決して忘れてはならない」


この発言が流れたのは、沖縄県知事選の告示前。沖縄タイムスが「閣僚経験者が本土の反対を懸念して、沖縄に米軍基地が集約されたとの経緯について発言するのは初めてとみられる」と報じた翌日、この発言を削除した動画に差し替えられた(沖縄タイムス9月19日)。


この報道を受け、作家の百田尚樹氏がネット番組「真相深入り!虎ノ門ニュース」で石破発言を取り上げ、「そんな事実はどこにもない」と発言していたことがわかった。本当に「日米両政府が本土の反対運動を懸念して、海兵隊の基地を沖縄に移転させた」という事実は「どこにもない」のか。①海兵隊が本土から沖縄に移転したのか、②その頃、日米両政府が本土の基地反対運動を懸念していたのか、に分けて検証することにした。


 


【検証対象】


言説内容


(百田尚樹氏)石破さんが削除された動画ね、見てませんけれど記事によると内容ね、日米両政府が本土の反対運動を懸念し、沖縄に移転させた、基地をね。そんな事実どこにもないっていうねん。沖縄っていうのは昭和47年までアメリカの土地やってんで、全部。… (9月20日放送「虎ノ門ニュース」)


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