逆境は改革のビッグチャンス 日本アイスホッケーの未来へ
Japan In-depth / 2019年2月12日 14時48分
神津伸子(ジャーナリスト・元産経新聞記者)
【まとめ】
・アイスホッケー、日本製紙クレインズ(釧路市)の廃部が発表された。
・新チーム発足の動きも本格化。
・今こそ本気のプロリーグ運営が求められる。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトでお読み下さい。】
今季限りで廃部が発表されたアイスホッケー、アジアリーグの日本製紙クレインズ(釧路市)は先月27日、栃木県日光市の日光霧降アイスアリーナでレギュラーリーグ最終戦の日光アイスバックス戦に臨み、延長戦の末、3―2で競り勝った。
釧路や東京などからもファンが駆けつけ、観客数は約2千人と満員、立ち見も出て、熱気が溢れた。昨年末のシーズン途中に、廃部が電撃発表されて以来、「このような形で、注目されるのは、本当に残念」と、嘆くアイスホッケーファンは、多い。
クレインズの主将、上野拓紀は試合終了後、リンク上で挨拶し「チームを残し、来シーズンまた霧降に戻って来られたらいいと思います」と、固く誓った。
写真)日本製紙クレインズの上野主将が、試合後スピーチする様子
©神津伸子
引受先企業は、現時点では見つからず、ファン有志が現在、チームを釧路に存続させるための署名活動を各地で続けている。そして、16日から、釧路でクレインズとして最後の王子イーグルスとのプレーオフが始まる。負ければ、そこで全日程終了となる最終決戦だ。
日本の実業団アイスホッケーの歴史
日本の実業団アイスホッケーの歴史は、1972年札幌冬季五輪開催に端を発する。開催国出場が決まった時点で、強化が始まった。以下、日本アイスホッケー連盟の公式ホームページから、その経緯を抜粋する。
▼1966年/昭和41年
札幌オリンピック開催決定。
古河・福徳・岩倉・王子・西武の5チームで日本アイスホッケーリーグ開幕。
▼1972年/昭和47年
札幌オリンピック開催。
日本スケート連盟アイスホッケー部門が日本スケート連盟から独立し、日本アイスホッケー連盟を創立。
国土計画(のちのコクド)が西武鉄道チームから分離発足し、リーグ加盟。
福徳相互銀行がリーグ脱退。
▼1974年/昭和49年
十條製紙(現日本製紙クレインズ)が日本リーグに加盟。
▼1979年/昭和54年
岩倉組がリーグ脱退、雪印が発足しリーグ加盟。
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