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逆境は改革のビッグチャンス 日本アイスホッケーの未来へ

Japan In-depth / 2019年2月12日 14時48分

第82回全日本アイスホッケー選手権大会にて創部16年目で初優勝




サッカーのセルジオ越後の就任は、大きな話題になり、今もチームを支える。最終戦でも、彼は氷上にいた。




そして、再生からチームが全日本アイスホッケー選手権優勝に16年も費やし、アジアリーグでは準優勝が最高位で、まだNO.1はない。




しかし、先日のリーグ最終戦で見せたチームのファンを大切にする姿勢には胸打たれた。試合後、クレインズの選手をしっかりと見守りながら、送り出した。選手、スタッフら全員が大きな輪を作り、セルジオ氏や斎藤哲也主将らが挨拶。その後、氷上に沢山の子供たちを含むファンを招き入れ、感謝の気持ちを込めてサインをしたり、記念撮影に応じ、実に微笑ましい光景が展開された。スポーツチームのお手本のような姿を、そこに見た。





空中分解したSEIBUの再生




一方で、2008年12月に廃部がアナウンスされたSEIBUプリンスラビッツも、「首都圏で、最高峰のプレーが見る事が出来なくなるのは、日本のアイスホッケーの危機」と、クラブチームとしての存続に有志が立ち上がった。筆者もその思いに賛同し、動きに加わった。中心となった人間らは、丁寧なレジメを作成し、スポンサー探しに仕事を持ちながらも、奔走した。しかし、首を縦に振る企業は、なかなか見つからなかった。アイスホッケーというスポーツは、スケート靴、ヘルメット、身体の各部を守る様々なプロテクター、ユニフォームなど高額な用具費に加え、試合・練習用のリンクレンタル代、リーグ戦の遠征費・宿泊代など、チームを維持するには年間3億円以上の経費がかかると言われている。




再生を目指す有志や選手は定期的に、東京・杉並区の「CUBE」という店に集まって対策を練った。仕事後に集まるため、話し合いは夜遅くまで続き、終電さえ終わってしまう事さえ少なくなかった。




難航する再生に、やがて有志は分裂していき、再建は叶わなかった。日本アイスホッケーの至宝であった鈴木貴人選手らSEIBUメンバーの多くは、各アジアリーグに分かれて行き、首都圏から実業団チームは消滅した。最後まで諦めずに軸となっていた「CUBE」のオーナーは尽力するあまりに、店の経営もままならくなり、閉店に追い込まれた。その後、元店長は会社員として再出発した。


 


「逆境は改革のチャンス」 新チーム発足の動きも、本格化




雪印も2001年に廃部、札幌ポラリスが発足するが1シーズンで日本リーグから撤退。それほど、クラブチームの存続は難しい。が、クレインズファンは諦めることなく、「氷都くしろにクレインズ存続を願う会」が、中心となって署名活動を行っていて、2月2日現在18000人分を集めて、釧路商工会議所の支援を求めている。しかし、アイスバックスの時のような具体的な動きや、引き取り手の企業などは見えてこない。


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