親の葬式にも出れなかった!骨髄ドナーのリスクと恵み
Japan In-depth / 2019年2月13日 18時0分
さて、ドナー登録の様々なリスクについては骨髄バンクのサイトを参考にして欲しいがここでは、私個人に起こった出来事リスクについて書きたいと思う。言うまでもないがリスクとそれによる感じ方は人それぞれ違うので、それはご了承の上ご一読頂きたい。
まずドナーの候補に挙がってから、実際に骨髄を提供するまでの間に、何が大変かと言えば、とにかく平日の昼間に休みを取らなくてはならないことである。
もう一度採血され、詳しい検査が行われ本当にマッチするかを調べられるのに半日は仕事を休む。そしていよいよドナーとなることが決まると、家族を連れて弁護士からリスクなどについて説明を受け書類にサインをしなくてはならない。つまり骨髄バンクは本人の意思だけでなく、家族の同意も得なくてはいけないのだ。これが本当に面倒くさく、夫は「どうせ妻は何を言っても聞かない。」とあきらめてくれている人なので問題ないが、心配する母の同意をとるのが少々ややこしかった。そしてここでも半日が潰れる。
▲写真 骨髄提供者となられる方へのご説明書 ©田中紀子
さらに一番参ったのがあくまでも私の場合だが、手術の前に「元気な時の自分の血」をとっておき、それを手術後に自分の身体に戻すということをやるのだが、この時、献血のように自分の血を採取していて、それを見ていたらまさに血の気が引き、血圧が急降下してしまって起き上がれなくなってしまったのである。情けない話なのだが、私は威勢がよく「口喧嘩は負けた事がない!」と若い頃豪語していたタチなのだが、血を見ることが非常に苦手である。確か看護婦さんが焦る位、血圧が下がってしまい、その日は全く仕事に行けなくなり、ぜいぜい言いながら家に帰る羽目になった。これは、こういう「血を見るのが苦手」ではない人は、全く経験することのないリスクであろう。
さて、いよいよ骨髄提供の手術をするわけだが、ご承知の方もいらっしゃるかと思うが、この手術日というのは、こちら側だけでなく、最も重要なのは白血病(他の病気でも適用される場合もあるが)患者さんが移植を受ける日なのである。そしてこの移植の日が決まると患者さんは放射線治療に入っており、予定通り移植を必ず受けなければ命の危険にさらされることになる。だから弁護士の同意書を書いたあとは、何があっても絶対に辞退することはできないのだ。
これは本当に緊張することで、私の場合「インフルエンザにならないように」「事故っちゃいけない」と普段どちらかと言えばめちゃくちゃな生活習慣なので、この間は実に気をつけて過ごすこととなった。
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