新防衛大綱・中期防を読む(上)
Japan In-depth / 2019年4月3日 23時0分
本来艦隊自前の早期警戒機が必要だ。一番容易な選択はMCH-101に英海軍同様と同じ、早期警戒システム「CERBERUS(サーベラス)」を搭載することだ。
ただヘリのために滞空時間が短く、高度も固定翼機に比べて短いという短所がある。
DDHに搭載して救難や補給を行うUH-X(次期多目的ヘリ)が調達されるはずであり、それはMCH-101ファミリーのUH-101となるはずだったが、プログラムがキャンセルされた。早期警戒を行うのであればMCH-101の追加発注が必要だろう。また塩害に強く搭載量が大きいMCH-101は揚陸作戦で陸自の隊員や装備を搭載してのヘリボーン作戦でも有用だ。
▲写真 MV-22オスプレイ 出典:Public Domain(Wikimedia Commons)
また海自は空母搭載用のCMV-22Bに興味を示しているという情報もあり、そうであればこれに早期警戒システムを搭載するという運用も可能で、ヘリよりもより長い滞空時間が確保できる。ただ調達・維持コストが極めて高いのが難点だ。そうであれば陸自が導入する17機のMV-22を転用、改造することも検討すべきだ。
▲写真 米国土安全保障省 税関・国境警備局(CBP)のガーディアン 出典:Public Domain(Wikimedia Commons)
中期的であれば例えばガーディアンのような固定翼UAVの艦載型をメーカーに開発してもらうというもの手だろう。ガーディアンならば滞空時間は24時間程度あるので、1機で早期警戒ヘリ数機分に相当する。当面E-767を使うにしても滞空時間延長のために空中給油受油機能を搭載すべきだろう。例えばガーディアンを我が国で改造し、早期警戒システムも搭載することも可能だ。その場合メーカーとともに輸出できるだろう。いわゆる多目的空母を運用しているユーザーは少なく、相応の市場規模が存在する。P-1哨戒機やC-2輸送機よりも遥かに有望な輸出商材となるだろう。
▲画像 3,900トン型護衛艦(FFM)イメージ図 出典:三菱重工ホームページ
護衛艦の新しい艦種としてFFMが導入される。FFMは諸外国でいう汎用フリゲイトに掃海機能をもたせたより小型の基準 3,900トンの艦だ。また新たに1000トンクラスの警備艦も導入される。諸外国のコルベットあるいは英海軍のOPV(Offshore Patrol Vessel)等相当する艦だ。従来は護衛艦=駆逐艦であり、このためか海自は定数の護衛艦を極大化化してきた。
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