「AI時代、一番大切なのは人」浮島とも子衆議院議員
Japan In-depth / 2019年12月23日 19時0分
細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生のモーニングトーク」2019年12月21日放送
【まとめ】
・AI時代には、人間にしかできないことを教育することが大切。
・子どもたちがパソコンを使えるような教育環境の整備が課題。
・急病や障害者にも対応できる公正な受験体制が必要。
今回のゲストは浮島とも子(前文部科学省副大臣・現公明党文部科学部会長)衆議院議員。今年話題となった大学入試改革を基に、早急に手を付けるべき教育改革について、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。
細川氏は今回の大学入試改革の方向性に賛成の立場を示しつつ、本来変えるべきなのは義務教育の内容と制度そのものであることを主張した。その上で、浮島氏に入試以外に急いで取り組むべき教育改革は何かを問いた。
浮島氏は「一番大切なのは人」である、と述べ、小さい時から様々なことに触れて心で学ぶ教育の大切さを訴えた。具体的には、AIが進化する時代に必要な資質を身に付けるために、AIにしかできないことと人間にしかできないことを教えることが重要だとした上で、「AIは正確に定義付けられたビッグデータという土台があってこそ初めて力を発揮できるが、人間の強みはデータがない、曖昧な中でもいろんな事が出来る。」と述べた。
また今、力を入れていることとして、「小さい子ども向けのスポーツや文化、芸術、キャンプなどの体験授業を行い、心の宝を積み上げる教育をしていかねばならない」と述べた。
次に浮島氏は今年度発表されたPISA(OECD生徒の学習到達度調査)の結果に言及した。それによると、日本人学生の読解力は前々回の2012年の調査では過去最高の4位だったが、今回は15位に下落し、読解力の低下が浮き彫りになった。
その理由の一つとして、今までのテストは紙ベースだったのに対して、今回はパソコンの画面を検索しながら問題を探す方式に変更したためとされている。
浮島氏によると、国はこの結果を受け止め、「令和5年度までにすべての小中学生にパソコンを使って学べる環境を整えることに取り組み始めた」と述べた。初年度では小学校5、6年生及び中学1年生のすべての子どもが端末を手に取って個別最適化された学びができるように、補正予算案に2,318億円の予算を計上している。
また、浮島氏は子どもにしっかり教えられるように、教員に対するサポートも必要不可欠であると述べた。日常的にICTを活用できる体制作りとして、教員支援機構による各地域の指導者の養成や、ICT活用教育アドバイザーによるワークショップや説明会、ICT支援員などの企業の外部人材による支援が予算の中に含まれていると述べた。年内に「教育の情報化に関する手引き」を教員たちに示し、学校の先生もしっかり対応できる体制作りを急いでいる。
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