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依存症対策見直し必至【2020年を占う・社会】

Japan In-depth / 2020年1月3日 11時0分

 


■ アルコール依存症


社会問題の影響を受ける飲酒問題


2018年、2019年と続いてきた、アルコール問題のひとつにパイロットの飲酒問題がある。なぜ、花形職業の一つと言われるパイロットが、次々と乗務前に大量飲酒問題を引き起こしているのか?


アルコール依存症の支援者に話しをきくと、これには現在の過酷な勤務状況が影響しているという。現在、慢性的なパイロット不足にどこの航空会社も悩んでいるが、さらに24時間就航やLCCの参入などにより路線の増加が進み、満足な休みも取れぬまま乗務を繰り返している。その上、時差の問題もあり、短時間で寝つけるよう寝酒として飲酒しているうちに耐性ができ大量飲酒に繋がってしまっているという。これは現代の社会問題を実によく反映している。


私も、先日アルコールではないが、過酷なシフト勤務に追われる配送の仕事に就く若者が、眠気覚ましのために覚せい剤を使い始めたという裁判の情状証人に立ったが、そもそもアルコールや覚せい剤といった合法・違法の薬物の力を借りなくてはならないほど追いつめられていく現代の働き方自体を真剣に見直すべきだと思う。


「働き方改革」という言葉だけは独り歩きしているが、改革に着手できるのは経営体力のある大企業のみで、中小企業は改革するまでには至っていない。そして無理な勤務状態が続けばメンタルの問題が起こり、メンタルの問題は不健康な飲酒習慣に繋がりやすい。こういった悪循環を断ち切るには、人手不足や中小企業の経営を圧迫する社会保障費の増加など、政治が向き合うべき課題も多い。現政権は、こういった社会問題に対し抜本的な解決策を示さねば、国民のメンタルヘルスの問題で社会負担費はますます増加し、労働人口の減少が加速することになるであろう。


さらに今年5月には丸山穂高衆議院議員による「戦争発言」が大問題となった。丸山議員は、北方領土へのビザなし交流訪問に参加中「戦争でこの島を取り返すことは賛成ですか?反対ですか?」「戦争しないとどうしようもなくないですか?」などと発言したことから批判を浴び、当時、丸山議員が所属していた日本維新の会は除名処分としたが、議員は辞職せず現在はN国党に入党している。


私は、丸山穂高議員はアルコール依存症の診断と治療を受けた方が良いのではないか?と推察している。理由は、依存症者の病気の特徴の一つ、自分のアルコール問題を「否認」されているからである。丸山議員は、少なくとも問題ある飲酒者として「断酒」が必要なことは自覚されているようで、これまでにも禁酒宣言をしているが、それが継続できていないという事実に向き合わず、必要な治療や支援を受けようとしていない。これは典型的な依存症者の「否認」である。「自分の意思でなんとかなる」「意志の力で止めなくてはならない」とご自身はお考えのようだが、丸山議員は、もうそれができるような状況にないとお見受けする。


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