依存症対策見直し必至【2020年を占う・社会】
Japan In-depth / 2020年1月3日 11時0分
この戦争発言の際にも話題になったが、丸山議員は2015年末にも酒に酔って一般人の男性ともみ合いになり、その際に相手の指に噛みつくなどして警察沙汰になっている。そして翌2016年には禁酒宣誓書を党の幹事長に提出していたが、その宣誓は守られずこの戦争発言へと繋がったのである。そして、これだけの大騒動を起こしたのだから、今度こそ禁酒したかと思いきや、2019年10月29日の饗宴の儀の際にも泥酔していたと騒がれ、ご本人は「泥酔」は否定していたが、飲酒の事実は認められている。
お酒は、違法薬物に比べ手軽に手に入る薬物であり、飲酒運転、暴力事件、酩酊時の事故、DV、レイプなどの性犯罪など違法薬物よりはるかに多くの社会問題を引き起こしている。そしてアルコールは他の依存行為に比べ身体的なダメージも大きい。にもかかわらずお酒に酔って度々問題を起こしたり、いわゆる酒乱状態になる人、アルコール依存症の人たちに対し、周囲の人々も合法であるがゆえに寛容になりすぎていたり、悩んでいたり、困っていても仕方がないとあきらめていたり、逆に「無頼派」や「酒豪」ともてはやされたりと社会で容認されすぎているのである。
丸山議員の場合も身近にいる人々はもとより、アルコール問題に気づいている国民も議員の断酒についてあきらめの状態に入っているように思う。
この日本社会のアルコールやギャンブルといった合法のものに対するいきすぎた寛容さと、違法薬物に対する必要以上の厳罰主義は、どちらの場合も社会の悪循環でしかない。これらの問題は、合法・違法といった「刑罰」の側面を重要視するよりも、「メンタルヘルス」の問題として対策を考えていくべきである。
2020年は、アルコールの健康障害について個人や家族の自己責任論から脱却し、正しい知識の啓発や予防教育、さらには規制のあり方等を、企業や地域、そして社会全体で共有して行くことが重要となるであろう。特に、企業は一個人の問題ではかたづけられない状況にあるのではないだろうか。
トップ写真:ギャンブルイメージ 出典:Pixabay: ThorstenF
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