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韓国で進むファクトチェック

Japan In-depth / 2020年1月13日 13時27分

韓国で進むファクトチェック


Japan In-depth編集部


【まとめ】


・早稲田大学で韓国のファクトチェック活動に関するセミナー開催。


・ファクトチェックは民主的な秩序を維持。


・日韓関係も事実に注目することが大事。


 


NPO法人ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)と早稲田大学次世代ジャーナリズム・メディア研究所は1月11日、近年韓国で広がるファクトチェック活動について早稲田大学でFIJ特別セミナー「韓国メディアで広がるファクトチェック」を開いた。


セミナーでは、韓国のメディア界で急速にファクトチェック活動が普及した事情や、テレビでどのようなファクトチェック番組が放送されているのか、将来の日韓ファクトチェック協力の可能性などについて議論した。ゲストはチョン・ウンリョン氏(ソウル大学ファクトチェックセンター初代所長、元東亜日報記者)とソン・ヒョンジュン氏(全国言論労働組合首席副委員長、元KBS記者)。会場にはジャーナリストら80人ほどが集まった。


前半はチョン氏が登壇し、韓国におけるファクトチェックとソウル大学ファクトチェックセンターの役割について話した。


チョン氏は最初にGlobal Fact(世界のファクトチェック関係者が集う会議)を言及し、「ファクトチェックにおいて日韓で共有できるものがある」と述べた。2017年に大学とメディアのコラボによってソウル大学ファクトチェックセンター(SNUファクトチェックセンター)が設立された。第19代大統領選挙では提携した報道機関の中の12社と共に144件のファクトチェックに対して177件を検証し、結果として約半数の88件が誤りもしくは概ね誤りと判断した。


ファクトチェックの問題として、ジャーナリストと読者の間にあるギャップが挙げられた。チョン氏によると、記者は自分たちですでにファクトチェックを行っているからこれ以上チェックする必要はないと考える一方で、読者は報道機関のファクトチェックをいい加減だと感じている。


チョン氏は、今のファクトチェックは昔とは違うと説明した。「昔のファクトチェックは記事に誤りがないように先に確認していたが、今はインタビューの正しい内容を伝えるだけではなく、その内容が事実なのかどうかを追及することが重要である」と述べた。


しかしチョン氏によると、既存メディアと検証対象となる人たちはこの考え方について反発している。チョン氏はSNUファクトチェックセンターが韓国の野党である自由韓国党から名誉棄損との告発を受けたことに触れ、裁判所の判決を引用してファクトチェックの公的意味を訴えた。ソウル南部地方裁判所が出した判決では「報道機関が根拠を持って公的な人の発言を批判することが、公的な人の発言がフィルターを通さず国民に直接伝わることよりも民主的な秩序の維持において好ましい」とされた。


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