仏激震 わいせつ動画流出で
Japan In-depth / 2020年2月22日 11時26分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・自慰行為の動画流出でパリ市長選バンジャマン・グリボー候補、出馬撤回。
・動画流出で拘束のパブレンスキー容疑者、露で過激な抗議活動で著名。
・同容疑者の犯罪行為は価値観の違い、表現の自由、インターネットの脅威の要素含む。
フランスの警察当局は16日、エマニュエル・マクロン大統領の推薦で来月のパリ市長選に立候補していたバンジャマン・グリボー氏(42)の出馬撤回につながったわいせつ動画について、ロシア人アーティストのピョートル・パブレンスキー容疑者(35)とその交際相手の女を拘束し、事情聴取を18日に終えた。
パブレンスキー容疑者によってインターネット上に流されたのは、2本の動画とその時に取り交わされた一連のメッセージであり、動画はグリボー氏と見られる人物が自慰をする内容だった。この動画等を受け取った女性は、当時女子大生だったフランス人のアレクサンドラ・ドタデオ容疑者(29)で、数ヵ月前からパブレンスキー容疑者と交際していたという。ドタデオ容疑者は事件への関与を否定している。
▲写真 バンジャマン・グリボー氏 出典:wikimedia commons : Jacques Paquier
動画流出を受け、3人の子を持つグリボー氏は、「家族と私は1年以上にわたり、誹謗(ひぼう)中傷やうそ、うわさ、匿名攻撃、私的な会話の盗聴と暴露、殺害予告の対象になってきた」と語り、そしてその誹謗は、今回この私的な動画の公開で新たな段階に入り、これ以上家族や自分を卑劣な攻撃にさらないためにも出馬を辞退すると述べたのだ。パリ市長選挙は与党「共和国前進(REM)」にとって重要な地点であり、アニエス・ビュザン保健相が急遽代りに立候補することとなった。
拘束されたパブレンスキー容疑者はロシアで過激な抗議活動で知られている人物だ。2013年には、政治的権利に対するロシア政府の弾圧に抗議し、モスクワの「赤の広場」で裸になり、自分の睾丸を敷石に釘で打ちつけるパフォーマンスを行い警察に身柄を拘束されている。2015年には、モスクワで9連邦保安局(FSB)本部の正面玄関に火をつけ、この件でもまた警察に身柄を拘束された。その後、身の危険を感じたことが理由で、2017年にフランスに亡命してきたのだ。
https://youtu.be/81H57wfIXxg
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