国連と逆行 日本の薬物報道
Japan In-depth / 2020年2月23日 7時0分
我々のような薬物問題や依存症の支援者は、度々このような大騒ぎに警告を発し、2017年度には「薬物報道ガイドライン」を作成したが、事態はなかなか収拾しなかった。
悪化の一途をたどる薬物報道であったが、2019年10月21日 KAT-TUNの元メンバー、田口淳之介さんらの弁護士であった望月宣武先生が、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部に対し、「田口さんらの自宅を捜索した際の映像をテレビ番組制作会社に提供していた」として、国家公務員法(守秘義務)違反罪で、東京地検特捜部に告発状を提出し、さらにこの守秘義務違反問題が衆議院でも取り上げられ国会質問で追求されると、やっと逮捕時のスクープ映像をマスコミにリークしたり、サービスショットとしてマスコミの前で写真撮影のためにさらしものにするかのような所業は改善された。
しかし日本は薬物依存に対する考え方や対策が世界的にみても遅れに遅れており、特に地上波メディア、マトリ、警視庁組対5課の三つ巴は、自分たちの名をあげることしか頭にないとしか思えず、相変わらず薬物使用をした芸能人に対してスキャンダラスな報道や発言を繰り返している。
そして今回の様に地上波のメディアは平気で、社会復帰を果たしている超有名人である清原さんを番組の視聴率稼ぎのために利用しておきながら、一方で貶めるような行為を平気で行うのである。
◆国連が進める非犯罪化と人権への配慮
日本では全く知られていないが、2019年3月「薬物問題に関する国連システム共通の立場の実施に関する国連システム調整タスクチーム」は、国連システムが過去10 年間に学んだ教訓に関する最初の重要な報告書を発表している。
今、国連の薬物政策は非犯罪化そして人権への配慮という観点にどんどん進んでいるが、こういった国連の決議を、意図的にか?厚生労働省、法務省、外務省、警視庁のどこからも広報も邦訳もなされておらず、もちろんメディアも一切取り上げていない。
唯一、「日本臨床カンナビノイド学会」という学会のHPに邦訳が載っていたので、こちらのPDFから抜粋させて頂くと、
<P21非犯罪化に関する抜粋>
・薬物使用や薬物依存だけでは拘禁の十分な理由にはならない
介入を可能にするには、薬物の使用や個人的な使用のための所持などの行動を犯罪化する法律や法律の見直し、偏見や差別を減らすことが含まれる。保健セクター、暴力への対処、薬物を使用者たちの エンパワメントを支援している。
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