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3.11の戦訓活かせぬ防衛省/自衛隊

Japan In-depth / 2020年3月30日 7時0分

空自のFR-4は帰投して写真を現像するといった博物館アイテムで、このことは阪神淡路大震災でも批判されたが、その後も空自は偵察機の更新を怠ってきた。後継として開発された国産のF-15J用の偵察ポッドは使い物にならずキャンセルされたが、輸入していれば容易に戦力化が可能だった。そして空自は、偵察はF-35に兼用させることになった。平時ならこれでいいが、虎の子のF35を10機以上偵察に裂けば、戦闘機としてのF-35の数は大きく減る。平和ボケもいいところだ。


 


■ 航空用NBCスーツは存在せず


世界の軍隊では航空用のNBCスーツが使用されており、ヘリや輸送機だけではなく戦闘機などようにも使用されている。ところが自衛隊ではこれらが全く存在していなかった。東日本大震災当時、当時陸自の某地方隊航空隊司令に航空用NBCスーツの備蓄はどのくらいあるのかと尋ねたら、「エッ、そんなものがあるんですか?」と言われたので驚愕した。陸自の方面隊航空司令ですらそのようなものが存在することすら知らなかったのだ。このため福島第一へのヘリによる放水も、地上用のNBCスーツを借用してぶっつけ本番でおこなった。それにも関わらず、未だに航空用NBCスーツは調達されていないようだ。



▲写真 米国空軍 NBC状況でトレーニングを行う様子(2019年8月29日)出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Delaney Gonzales


 


■ 夏使えない装甲車輛


陸自の装甲車輌の多くはNBCシステムを装備しているが、クーラーが装備されていないため夏場は使えない。現場の隊員によれば精々30分が限界であり、それ以上使えば乗員が熱中症になる。事実上夏場は使えない。つまり夏場にNBC状況が発生し、その地域を閉鎖した場合にまったく活動できない。東日本大震災では化学偵察車が福島第一原発に使用されたが、これにもクーラーは装備されていなかった。後継のNBCは偵察車にはついているが、あれだけの「戦訓」があったのに陸自の装甲車輌へのクーラー搭載改修は行われていない。NBC状況で化学科だけが対応するとでも考えているのだろうが、今回のコロナ騒ぎのような大規模な感染症が発生して一定地域を封鎖して、その內部で自衛隊が救援者治療、物資の補給などの活動することは事実上不可能だ。


護衛艦にもNBCシステムはあるが、その換気用のフィルターは装備されていない。これは外国製だが、備蓄も存在しない。NBC状況になれば護衛艦隊は全滅だ。


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