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新型ウイルス感染拡大止まず

Japan In-depth / 2020年3月30日 21時38分

私は日本の新型コロナウイルス対策を考える際、国内外、特に東アジアのデータを集めて冷静に分析すべきと考えている。東アジアのデータを見れば、このウイルスの見え方は変わってくる。


まずは中国だ。中国は新型コロナウイルスが発生した国で多くの被害者を出している。3月28日現在、8万2,230人が感染し、3,301人が死亡している。致死率は4.0%だ。致死率は欧州並みといっていい。


中国で注目すべきは致死率が都市によって大きく異なることだ。


我々の研究所では2月26日現在の中国の主要都市の致死率を調べた(表1)。3月に入り、中国での感染は落ち着いており、状況は現在と大きくは変わらない。



▲表1


中国全体では患者数は7万8,630人(2月26日現在)で致死率は3.5%だが、実は感染者の83%を湖北省が占める。そして、湖北省の致死率は4.0%だ。


一方、湖北省以外の患者数は1万3,034人で致死率は0.8%だ。浙江省は0.1%、上海市は0.9%、北京市は1.2%と低い。



▲図1


なぜ、地域差が生じるのだろう。実は中国の致死率は内陸部で高く、沿岸部で低い(図1)。経済的に豊かな地域は感染者も少なく、致死率も低い傾向がある。


中国の特徴は、高齢者の致死率が高いことだ(図2)。死亡率は50代の1.5%から上昇し始め、70代を超えると8%、80代には15%へと急上昇する。



▲図2


私が注目しているのは都市機能だ。武漢の都市機能が麻痺したことが多くの高齢者の死者を出したと考えている。


武漢の人口は都市封鎖により1,400万人から900万人に減少した。減ったのは若年世代だ。特に子どもを抱えた若年女性は避難した。この結果、病院をはじめ、多くの都市機能が麻痺した。


この状況は福島第一原発事故後の浜通り地方と同じだ。浜通り地域では、原発事故後、肺炎や脳卒中などによる死者が増加している。ストレスに曝されながら、自宅に籠もることで持病が悪化したことが影響している。


現在、感染が拡大する日本では活動自粛、都市封鎖が検討されている。これは感染拡大の防止には有効だが、高齢者の健康を損ねる可能性がある。このことはあまり議論されていない。



▲写真 クアラルンプールでのロックダウン 出典:Wikimedia Commons; Renek78


では、日本はどうだろう。その際に注目すべきはクルーズ船プリンセス・ダイヤモンド号の経験だ。


国立感染症研究所によれば、2月26日現在、乗客・乗員3,711人中619人(16.7%)が感染したことがわかっている。


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