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新型ウイルス感染拡大止まず

Japan In-depth / 2020年3月30日 21時38分

現在の西欧のように致死率が高い感染症ならロックダウンはやむを得ない。一方で致死率が1%を切るような、比較的毒性が弱い病原体の場合はどうだろうか。


ロックダウンは大きな経済的なダメージを与えるし、さらに高齢者の健康を害する懸念もある。福島第一原発事故後の福島県浜通り地方は「ロックダウン」に近い状況となり、多くの高齢者が持病の悪化などにより亡くなった。都市の活動を抑制することなく、感染爆発を避けながら、介護施設や病院を重点的に守るという戦術もあるはずだ。まさに、これまで日本がやってきた方法だ。


日本はPCR検査を抑制し、流行の実態から目をそらすという失敗もあったが、極端な政策に走ることなく、大人の対応をとってきた。


ところが、現在、日本は岐路に立たされている。東京五輪が一年程度延期されることが決まったからだ。新型コロナウイルスの流行をロックダウンで対応しようとしている欧米や中国は、東京五輪の開催には新型コロナウイルスがコントロールされていることを求めるはずだ。


一年程度ではワクチンは開発されていない。参加国各国で一時的に流行が抑制されていても、東京で流行していれば、東京五輪を介して各国で再流行するかもしれないからだ。


日本が東京五輪を開催したければ、流行が抑制されていなければならない。ところが、集団免疫の獲得には通常、数年かかる。今年の冬に再流行し、来年春まで感染が拡大していれば、東京五輪は中止に追い込まれるだろう。


この問題を回避するには、東京でロックダウンを強行するしかない。その場合、どのくらい規制を継続すべきかわからない。経済的な損失は甚大となる。東京五輪を開催するために、どこまで経済的な損失を受け入れるか、国民的なコンセンサスはない。


新型コロナウイルスが欧米に拡大し、多くの人々が亡くなった現在、新型コロナウイルスを抑制し、東京五輪を無事に開催するのは至難の業だ。正確な情報を共有しながら、社会で合意を形成する必要がある。


トップ写真:「新型コロナウイルス感染症 1都4県テレビ会議」の開催(令和2年3月26日)YouTubeキャプチャ 出典:東京都広報課Facebook


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