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「軽装甲機動車」後継選定の面妖

Japan In-depth / 2020年4月8日 11時0分

と、されている。


トルコをいれたことは評価をしよう。トルコの軍事産業はこの四半世紀で長足の進歩を遂げている。装甲車両にしても多くの実戦のノウハウをつぎ込み、先進国に匹敵するものを開発している。率直に申し上げて国内の装甲車両メーカーより技術力も勝っている。輸出の実績も多い。



▲写真 Armored wheeled personnel carrier Cobra II of Otokar at the IDEF 2019 in Istanbul, Turkey.(2019年5月2日)


出典:CeeGee


だが候補に挙がっているスイスには該当する装甲車は存在せず、本来多数の候補があるスイス以外のドイツ、フランス、イタリア、英国などの欧州諸国が除外されており、公平性が担保されていない可能性がある。


またイスラエルだけは絶対に調査せよ、というもの奇妙だ。無論イスラエルにも優れた装甲車はあるが、外国のユーザーは少ない。車輛メーカーとして実績があり、多くの国で採用されている欧州、シンガポール、UAE(アラブ首長国連邦)等のメーカーを外すのは極めて面妖としかいいようがない。全く装甲車輌についての知識がない人物が作ったリストとしか思えない。


技術検討においては国産開発による習得性、外国製品の場合はライセンス国産の可能性も含めて調査するとされている。だがライセンス国産にした場合の部品などの生産移転の可否、メンテナンスや部品の供給に対するサービス期間、整備技術などの提供の可否、具体的な維持整備基盤の提案は必須項目とはされていない。


つまり、輸入したらその後の整備もパーツ供給の保証も全く要求されていない。下手をすれば整備が全くできずに、すぐにクズ鉄と化す恐れがある。


そもそも4人乗りでペイロードも殆ど無い軽装甲機動車を主力APCとして採用したのは異常である。このようなことをやっている軍隊は筆者の知る限り存在しない。世界の軍隊では主力兵員輸送車は、1個分隊が乗車可能である。つまり操縦手、車長(歩兵戦闘車ならばこれに射手)以外の下車歩兵が8人程度搭乗できる。軽装甲機動車のような軽4輪装甲車は通常、パトロールや偵察、対戦車、連絡、護衛などの使われるのが普通である。陸自のような胡乱な運用をしている軍隊はない。


軽装甲機動車を装備する普通化小隊は7両編成となるが、車輛固有の武装はなく、隊長車以外固有の無線機もない。下車戦闘に際しては車輛に鍵をかけて全員が下車して戦うというまるでコントのような戦い方をする(実際は小隊で一人だけ留守番に残すことが多いい)。


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