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ヤクザの二代目は美形ぞろい 家にいるなら邦画を見よう3

Japan In-depth / 2020年4月27日 18時59分

いやあ、映画って本当に役に立つんですねえ……などと無責任に評論家ぶるのは簡単だが、現実には前述のような「世相」を反映して、ヤクザ映画も内部抗争や権謀術数ばかりを描く「暴力団映画」へと変質してゆき、結果、今でいう「オワコン」扱いを受けてしまうに至ったのである。


代わって、ヤクザ映画のパロディとでも言うべきか、あり得ない設定での「二代目もの」が当たりをとるようになった。


嚆矢となったのは『セーラー服と機関銃』(1981年)で、薬師丸ひろ子の出世作となった。ご存じの読者も多いであろうが、女子高生がヤクザの二代目になるという話だ。


翌82年には原田知世、2006年には長澤まさみの主演でTVドラマ化されている。


後者は見てみたのだが、一口で言うと「これじゃない感」を払拭できずじまいだった。


やはり、クライマックスで敵役の事務所に乗り込み、機関銃を乱射した後、薬師丸ひろ子が硝煙の中で


「カ・イ・カ・ン(快感)」


と一言発しながら浮かべた、あの恍惚の表情。あれを超えるシーンは撮れなかった、ということだろう。今思い出しても、あれは映画史上に残る名演技だ。


念のため述べておくと、長澤まさみという女優が、薬師丸ひろ子と比べてなにか劣るという意味ではない。私に限って、そのような発言はあり得ない。


「非サッカー者」にはあまり知られていない事実だが、彼女はサッカー元日本代表にしてジュビロ磐田の初代監督を務められた長澤和明先生のご息女であらせられるのだ。どーだ参ったか(なにがだ?笑)。


話を戻して『二代目はクリスチャン』(1985年)も、私の中ではストーリーの面白さより、主演女優の美貌と存在感が際立っていた。


公開当時29歳の志穂美悦子が、ヒロインのシスターを演じている。その美しさと言ったら……それまでカラテ映画の印象ばかり強かったので、意外性もあった。まあ、原作(つかこうへい氏の小説)をまだ読んでいなかった私など、最後は修道服を脱ぎ捨てての大立ち回りになるのかと、愚かな期待を抱いていたことは、ここで正直に告白しておくが。


彼女もまた「悪いヤクザ」の事務所に乗り込んだ際、


「悔い改めてえ奴は十字を切りやがれ。でねえと全員、たたっ斬るぜ!」


と、ものすごい啖呵を切って評判になったが、原作を読むと、ヒロインの行動原理はどうも十字軍思想のパロディなのではあるまいか、などと思える。


そして、岩下志麻の当たり役となった『極道の妻たち』が公開されたのが、1986年。


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