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ヤクザの二代目は美形ぞろい 家にいるなら邦画を見よう3

Japan In-depth / 2020年4月27日 18時59分

ヤクザの組長が亡くなって、かつて勘当した実子に跡目を継がせるよう、遺言を残す。


そこで実子を探し当てたら、これがなんと、ナナという源氏名のニューハーフ。


「オカマの組長で、やって行けますか」


という声が組織内から上がるかと思えば、


「(新宿)2丁目が縄張りなんだから、ニューハーフの組長さんなんて素敵じゃない」


などという、門外漢には理解不能な(新宿2丁目がその世界で有名だということくらいは知っているが笑)論理でもって支持する声が聞かれたりする。当人も最初は、


「なんで私が、今さらヤクザやんなきゃいけないのよ」


と拒否反応を示すのだが、彼女(で、いいのだろうか?)が働く店が、対立組織から地上げを仕掛けられたりする、まあ、お決まりのパターンで抗争が勃発し流血沙汰となる。


そして最後は、これが自分の宿命なのだ、と悟った2代目が、跡目相続の儀式で、


「未だ渡世修行中の、しがなきオカマではございますが……」


と口上を述べ、居並ぶ親分集をドン引きさせて大団円となるのである。


……これでは、まるで亡き志村けん氏がやりそうなギャグと思われるかも知れないが、少し趣が異なる。まず、ヒロイン(で、いいのだろうか?)を演じたベルという人が、本当に業界で有名なニューハーフだそうなのだが、芝居も上手だし、最後の着物姿の美しいこと。これに勝る女優が何人いることか、と思えたほどだ。


ただ、ヴィジュアルという点で、もっと凄いのは、企画・脚本・監督もつとめた小沢仁志演じる若頭が、対立組織に殴り込むシーンである。


これがなんと言うか、ネタバレになるのであまり具体的には書けないが、迫力どころか破壊力満点。最初は盛大に吹いたが、見ているうちに、


(お願いですから、夢に出てこないで下さい)


と祈るような気持ちになったほどだ。


家に閉じ込められて気がふさがりがちな時は、こういう「バカバカしいけど面白い」映画がオススメである。


トップ画像:高倉健氏 出典:国際情報社『映画情報』第31巻1月号(1966)より


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