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PCR検査増やせ大合唱の謎

Japan In-depth / 2020年5月9日 2時10分

PCR検査増やせ大合唱の謎


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)


【まとめ】


・相変わらずテレビでは「PCR検査増やせ」報道が多い。


・「国民全員にPCR検査を」と主張する専門家もワイドショーに出演。


・100万人当り感染者率と死亡率が断トツに低い日本は成功例ではないのか。


 


前記事で「PCR検査増やせ派」がメディアを中心に勢力を増し続けている現状を指摘した。


その後、自分が現役時代に関わっていたBSフジLIVE「プライムニュース」に本庶佑京都大学大学院特別教授がゲストとして出演した回(2020年4月22日放送)で「PCR検査を増やせ」との趣旨の発言をしたとことを同番組の記事で知って驚いた。


タイトルは、「PCR検査の数断然足りない」…ノーベル賞本庶佑教授が語るコロナ対策「検査は大学研究室でもできる」だ。


本庶氏の主張は明確で、医療現場の感染拡大を防がねばならない、ということだ。その上で、


「私が一番心配していること。戦争でいうと一つの小隊がころっとやられる状況。こういうことが起こらないためにPCR検査を増やし、医者に来る前に陽性かどうかがわかるようにすれば、医師もきちんとした対応ができる。病院の庭で検査するとか、もっと数を増やしていかなければいけない。」


とし、現在日本で行われているPCR検査の数について、


「断然足りない。一桁増やしていい。これは技術的問題ではないと私は思う。保健所でなく、現場医師が受けるべきだと判断すれば検査を受ける仕組みがいい。」


と述べている。


また、PCR検査の技術者数の不足については、


「実際、この検査は大学研究室でもできる。試算したが、技術者3人の組で1日に100検体はこなせる。1万の検査のためには技術者300人。9時から17時勤務で、と考えると全く問題はないし、僕は制度の問題だろうと思っています。」


と述べた。


本庶氏はさらに、「PCR検査を増やすことに反対している方々がある。「検査で陰性だった人に感染していないというお墨付きを与え、いわゆる偽陰性を増やすのは有害である」というご意見。「ないことは証明できない」というのは科学の基本的な考え方で、PCR検査でも「ない」ということには何の意味もない。そこを誤解されている。PCR検査は陽性の場合だけを追いかけるもの。」としている。


その後キャスターが発した「検査することによって陽性の人や過去の感染履歴がある人を正確に把握すれば致死率が下がる、という理解でよいですか。」という問いがよくわからない。


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