日本に最先端戦闘機開発の能力無し
Japan In-depth / 2020年5月10日 18時0分
生産基盤を残し、技術移転と国産技術を発展させるならばユーロファイターしかなかった。ユーロファイターならば原則ブラックボックスなしで独自の改修も可能で、将来のアップデートなどにも関与できるパートナーになることもできた。
▲写真 ユーロファイター・タイフーン 出典:flickr / Airwolfhound
F-35Aの調達はまた戦闘機用の国産武器の開発にもとどめをさす。防衛省は新型のミサイルなどの搭載兵器も開発する方向を堅持しているが、画餅に過ぎない。安倍政権はF-35の調達数をB型含めて147機に増やした。空自の戦闘機の定数は260機なので、これで空自の戦闘機の半分以上はF-35となる。
これらは国産の搭載兵器を使用できない。実際に空自はF-35搭載用の対空ミサイルや対艦ミサイルなどを輸入する。F-35のサプライチェーンは複雑であり、F-35に搭載できる兵装は限定されている。
日本ローカルのミサイルなどの搭載を日本専用に米政府が認めることはほぼ絶望的だ。これがイスラエルのように米国に強い影響力と外交能力がある国ならばまだ希望があるだろうが、我が国の劣悪な交渉能力では無理だ。
そうであれば国産ミサイルなどの搭載兵器の調達数は現在の4割程度まで減少する。ただでさえろくに試験もないのに、調達数が半減すればただでさえ極めてコスト高い国産搭載兵器を開発、調達することは絶望的となる
時事通信が次期戦闘について以下のような報道している。
『次期戦闘機、多難な道のり 技術・費用課題、日本主導どこまで』(2020年5月4日配信)
>「日本主導」は、自身のタイミングで改修や整備を可能にするメリットがある。F2開発では、日本はエンジンなど重要構成品の技術を持たず、日米貿易摩擦のあおりもあって米国主導の開発を余儀なくされた。米側からは設計上の機密情報が開示されず、改修や整備に苦労した。
>F2の苦い経験を踏まえ、次期戦闘機は基幹システムやエンジン、レーダーなど主要部の国産化を目指す。
日本主導であるならば、先端技術をブラックボックス化して技術移転を極端に嫌う米国をパートナーとするのは、始めから除外しなければならない。その米国をパートナーに据えているのは自己矛盾である。政治家も防衛省も米国から協力してもらって、情報も開示してもらえると信じている。ナイーブとしか言いようがない。
>空自関係者は「どこまで米企業が持つ核心技術の情報開示を得られるかや、米製部品の適時供給が担保できるかが今後の焦点」と指摘する。
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