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19式自走榴弾砲を安価に調達する方法

Japan In-depth / 2020年5月16日 23時48分

更に履帯はゴム製にすれば維持費も下がるし、重量も1トンほど軽くなる。防衛装備庁でもゴム製履帯の開発が進められている。こうすれば安価に歩兵戦闘車が調達できる。車体部分はタダだし、新たに歩兵戦闘車をいちから開発したり、輸入するよりは遥かにコストが低いはずだ。しかも国内に相応のカネも落ちる。


あるいは重装甲のAPC(兵員輸送車)型と、下車歩兵を搭乗させない火力支援車にわけて調達することも考えられる。例えば99式の砲塔を利用して、これに50~76ミリ砲などを搭載すればいい。砲塔が大きいために被断面積は大きくなるが、防衛大綱にもあるように、日本本土で大規模な機甲戦闘は想定していないので問題ないだろう。


通常の歩兵戦闘車より大口径の砲を搭載することによってより大きな火力を獲得できるし、火力支援にも使える。主砲は海自用の76ミリ砲を転用すればいい。それならば国産だ。南アフリカの偵察装甲車、ロイカットの主砲は実際に海軍用の76ミリ砲を転用している。


その一部をオト-メララの砲塔システム、ドラゴのように、対空と火力支援用にしていいだろう。そうすれば87式自走対空砲の後継を調達できる。


ドラコは同社の海軍用ベストセラーである62口径76ミリ砲を採用している。通常この手の自走対空砲は30~40ミリクラスの中口径機関砲が使用されるが、76ミリ砲は射程が長く、また弾頭も大きく殺傷半径は約10メートルで破壊力もカーバ範囲も大きい。


このためドラコはヘリならば最大8キロ、巡行ミサイルや小型のUAVならば最大6キロで迎撃が可能である。また非直接照準による火力支援は有効射程15キロ、海上の艦艇などの攻撃であれば22キロまで有効である。また直接照準による火力支援であれば有効射程は3キロとなっている。


砲塔上部には探知と追尾用、誘導弾のガイダンスを行うレーダーが装備されており、早期警戒にも使用が可能である。ただ対空戦闘に関しては更に広範囲を探知する外部のレーダーなどから情報を得ることとなっている。直接交戦用として車長用の昼夜兼用のパノラミックサイトが装備されている。車長が目標を確認した後、これを砲手に引きつぎ、同じサイトを見て射撃することも可能である。砲塔はNATOレベル3の防御力を有し、重量は5トンとなっているがレベル4まで防御力をあげることができる。



▲写真 ドラコ砲塔システム。車体はチェンタウロのものを使用。 Ⓒ清谷信一


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