1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

仏の経済再開、第2フェーズ

Japan In-depth / 2020年5月31日 19時0分

例えば、通常は室内に80席設けることで切り盛りしていたレストラン。経営を再開すれば現在一時的失業者に登録された従業員に通常の給料を払い、固定費を払っていくことになる。しかし、テラス席が20席しかない状態では、とうてい経営が成り立たないのだ。


パリ市はそんなレストランの悩みを解消するためにも、少しでもテラス席が増えるように支援を予定している。LCIに出演していたムニール・マジュビ議員によると、店の前にある駐車場をテラスとして使えるように許可を出すなど、テラスの面積を広げることを支援するとした。すでに案は練られている。駐車場など公共のスペースについては使用料を無料とし、使用の際はオンラインで申請すればよいこととなったのだ。また、いくつかの道路では午後7時から10時まで車の通行を止め歩行者天国とし、夜の食事の時間を楽しめるようにもするそうだ。


だがそれでも細い路地などにあるレストランではテラス席を持つことは難しく、最終的には、全体の約3分の1は、室内営業が許可される6月22日まで再開しない決断を下している。しかしながら室内の営業が再開されても、レストラン経営者の悩みが完全に解決するわけではない。今後、約40%のレストランの倒産の危機を心配する声もあがっている。



▲写真 パリ テラスのあるレストラン(コロナ前) 出典:Flickr; zoetnet


 


■ 約40%のレストランが倒産の危機


レストランの再開が認められたレストランの多くはもちろん再開できることを喜んでおり、どのように対応していくかの案を練り、再開に向けて準備をすすめている。しかしながら、再開できないとするレストランも多い。45000が集まる事業主のグループ及び、SOS Bistrotsでおこなったさまざまなアンケートから得られた結果によれば、約40%のレストランは「援助活動をしなければ」倒産するおそれがあるという。ボルドーのシェフ、フィリップ・エチェベスト氏はそう訴え、レストランへのさらなる支援を求めている。エチェベスト氏は、テレビの料理関係の番組にも出演している人気のシェフであり、外出禁止期間中にマクロン大統領からレストランの現状について意見を求められた人物の一人だ。


外出禁止が始まった最初の頃から、レストラン救済を訴えていたエチェベスト氏だが、「再開の許可は、経済危機の終わりと同じ意味ではない。」と説明する。なぜなら以前と違い、現在は感染予防のために、客同士の間には1mの身体的距離をおかなければいけないからだ。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください