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仏版ジョージ・フロイド事件とは

Japan In-depth / 2020年6月8日 18時0分

仏版ジョージ・フロイド事件とは


Ulala(ライター・ブロガー)


「フランス Ulala の視点」


【まとめ】


・「ジョージ・フロイド事件」は仏「アダマ・トラオレ事件」と酷似。


・〝仏版フロイド事件〟で「仏に人種差別はない」の矛盾浮き彫りに。


・当初「警察の横暴」の論調のみ。米事件で「人種差別」の見方増幅。


 


米国で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件を受けて、人種差別に抗議するデモが世界中に広がった。フランスでも6日、「人種差別」と「警察の暴力」に対して抗議するために、パリ、ボルドー、ナント、リモージュ、ポワティエ、マルセイユ、リールなどフランス各地で、デモが開催されたのだ。


パリでは、一部の通行が閉鎖されるなど朝から厳重態勢が敷かれる中パリのコンコルド広場に3000人程度が集結し、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命が大事)」などのプラカードが掲げられた。デモでは、参加者はともに地面に片膝をつき「ジョージ・フロイドのための正義」「アダマ・トラオレのための正義」との声をあげる場面もみられた。


片膝をつくポーズは、かつてのアメリカで有色人種が、アメリカ合衆国市民(公民)として法律上、平等な地位を獲得することを目的としていた「公民権運動」時に行われていた抗議方法で、現在は人種差別反対の意思表示とされている。


パリ以外の各都市の抗議デモでも、警察によるとリヨン3400人、リールは1500人、ストラスブール3500人、ルーアン1500人、カーン1500人など、若者が中心となって集まり、リヨンなどの一部の都市では暴動化する場面もみられ、沈静化するために治安部隊により催涙ガスが使用された。



▲写真 米国での白人警官によるジョージ・フロイドさん致死事件をめぐってフランス各地でもデモが行われた。写真は事件があったミネアポリスの街角に描かれたフロイドさんの壁画(2020年5月31日) 出典: Lorir Shaull


 


■「フランス版ジョージ・フロイド事件」と呼ばれるアダマ・トラオレ事件とは


6日に行われたデモは、アメリカで警官に押さえつけられ窒息死したジョージ・フロイドさんの事件を受けた人種差別反対のデモでもあるが、実は、フランスでは、2016年に亡くなった当時24歳のフランス人黒人男性アダマ・トラオレさんの死亡に対するデモでもある。


「フランス版ジョージ・フロイド事件」とも呼ばれるこの事件は、パリ北方のヴァル=ドアーズ県でおこった。アダマ・トラオレさんが警察の職務質問後に連行され死亡し、病死と発表された事件だ。しかしながら、この病死という診断結果に疑問を持った家族により依頼された他の専門家の診断によると、アダマ・トラオレさんの死因は、「窒息死」だという。ジョージ・フロイド事件と同じだ。


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