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どうなる?取り調べへの弁護人立会い

Japan In-depth / 2020年8月21日 20時45分

どうなる?取り調べへの弁護人立会い


Japan In-depth編集部(坪井恵莉)


【まとめ】


・国際人権NGOが取調べへの弁護人立ち会いに関する勉強会を開催。


・取調べに弁護人が立ち会うことは国際的な常識にも関わらず日本では認められていない。


・現在、法務省の刷新会議で実現に向けた議論が進められている。


 


「ルノー・日産・三菱アライアンス」の元社長兼最高経営責任者、カルロス・ゴーン被告の勾留が108日に及んだことから、日本の刑事裁判手続きは国際的に「人質司法」だと批判されることとなった。


保釈中の2019年12月に、関西空港からトルコ経由でレバノンに密出国したのには、日本のみならず世界中があっと驚いた。そのゴーン被告はレバノンでメディアを前に、とうとうと日本の司法制度を批判したのだ。



▲写真 カルロス・ゴーン被告 出典:Flickr;Adam Tinworth


大学3年生で法学部に在籍する私は当時、108日間の勾留が確かに長すぎると感じたが、長期間の勾留はさほど珍しいことではない。またゴーン氏は「口裏合わせを防ぐため家族と会うことを禁止された」「取調べに弁護士の立ち会いが認められなかった」と日本の司法制度を批判したが、それらは当然のことで、批判の対象にならないのではないかという感想を抱いていた。


しかし、取調べに弁護人を立ち会わせる権利は国際的には当然の権利として認識されていて、立ち会いを認めない日本の制度は極めて異例だという。


カルロス・ゴーン被告に関する問題や黒川前東京高検検事長の賭けマージャン問題を受けて、法務省は日本の司法制度への信頼回復を目的に今年7月から「法務・検察行政刷新会議」(以下、刷新会議)を諮問した。これは日本の制度を、国際水準に引き上げるチャンスでもある。


国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチと「取調べへの弁護人立ち会い」を求める法律家の会は8月20日、27日13時に予定されている第三回刷新会議会合を前に、緊急・オンライン勉強会を開催した。「取調べへの弁護人立ち会い」を軸に、弁護士や専門家が刑事手続きの現状や問題点、そして今後のあり方について提言を行った。


 


■ 他国の刑事手続き制度との比較


まず弁護士の四宮啓氏が「周庭氏が日本で逮捕されたら… 国際的座標で日本の被疑者・被告人の権利を考える」をタイトルに基調講演を行った。


今月10日、香港の民主活動家、周庭氏が国家安全維持法違反で逮捕されたことは記憶に新しい。周氏は逮捕後、自宅近くの警察署で弁護士立会いの下で取り調べを受け、12日の未明に保釈された。四宮氏は「これだけ重大な犯罪容疑で逮捕された人が弁護士立会いの下で取り調べを受け、かつ48時間以内に釈放されたことは驚きを禁じ得ない」と感想を述べた。


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