どうなる?取り調べへの弁護人立会い
Japan In-depth / 2020年8月21日 20時45分
弁護士会は取調べへの立ち会いを繰り返し求めている、やはり認められるケースは少ない。そういう場合は依頼者が好きな時に相談できるよう、弁護人が取調べ室のすぐ外で待機する「準立ち合い」を行うことで、依頼者の心理的負担の軽減に繋げている。
川崎氏は取調べを行う警察や検察が議論を避けたいと考えるのは当然だとして、実現のためには弁護人立ち会いを国民的議論に繋げ、国内の機運を高めることが不可欠だと述べた。
さらにグローバル化が進むなか、各国は自国民が外国で何かの事件に巻き込まれた際、その国でどのような扱いを受けるかに注意を向けている。仮に日本の刑事司法が時代遅れで野蛮だと判断されれば、グローバル人材獲得の障壁になる恐れもあると警鐘を鳴らした。
川崎氏は日本国民の人権保護、そして国際的な信頼獲得のためにも弁護人の立ち会いは実現する必要がある訴え、講演を締めくくった。
▲画像 出典:緊急オンライン勉強会「国際的に恥ずかしい刑事手続きからの脱却なるか」〜法務省の新「刷新会議」と取調べへの弁護人立ち会い〜より
■ パネルディスカッション
講演後は四宮氏と川崎氏に加え、青山学院大学助教の安部祥太氏、刷新会議委員で青山学院大学名誉教授の後藤昭氏の4名で意見交換が行われた。
安部氏は、取調べに弁護人を立ち会わせる権利は国際的には基本的人権の一部として認識されており、これを認めないことは国際的な信用に関わると改めて強調した。
弁護人を依頼する権利は日本国憲法でも保障されており、刑事訴訟法に立ち会いを禁止する規定はない。よって弁護人立ち会いは現行法においても実現可能だとした。さらに極東で弁護人の立ち会いが認められていないのは中国・北朝鮮・日本だけだと指摘し「日本がこのグループに含まれていても良いのだろうか」と問いかけた。
後藤氏は、弁護人立ち会いが過去の検討会で度々先送りにされたことを明かし、今回認められれば刑事手続きの透明度は一気に向上すると実現に期待感を示した。刷新会議には刑事法の専門家が少なく、議論の場としてふさわしくないという批判があるが、弁護人立ち会いに関する議論は刑事法の専門知識がなくとも十分できるという考えを述べ、むしろ「市民目線から問題を議論することに大きな意味がある」とした。
弁護人の立ち会いに反対する根拠としては、被疑者が嘘をつくことで真実の発見が困難になってしまう、弁護士人の立ち会いだけでは司法手続きの透明化として不十分だ、などの懸念が挙げられる。これについて専門家らはどのように考えているのか。
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