仏、18歳が中学教師の首切断
Japan In-depth / 2020年10月19日 18時44分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・中学教師が首を切断された。容疑者は18歳のチェチェン系難民男性。
・「表現の自由」の授業で「シャルリー・エブド」のムハンマド風刺画使ったことが原因。
・2015年にも「シャルリー・エブド」の本社でテロ、12人死亡。
10月16日の夕方に流れたニュースは、フランス中を震撼させた。パリ郊外のイブリヌ県で中学の歴史教師サミュエル・パティさん(47歳)が首を切断されて殺害されたのだ。殺害したとされる容疑者はロシア国籍で18歳のチェチェン系難民の男性。その後、容疑者はすぐに駆け付けた警官に射殺された。容疑者の行った殺害方法も残虐であったが、実はこの事件は、教師が担当した「表現の自由」の授業において「シャルリー・エブド」に掲載されたイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を使ったことが原因になっており、そのことは、さらに多くの人にショックを与えた。そう、この事件は「シャルリー・エブド」の風刺画に起因していたのだ。
2015年1月7日にフランス・パリ11区の週刊風刺新聞「シャルリー・エブド」の本社にイスラム過激派が乱入し、編集長、風刺漫画家、コラムニスト、警察官ら合わせて12人が殺害された。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以来、世界各地でイスラム過激派によるテロ事件が発生し、「シャルリー・エブド」ではイスラム過激派によるテロを非難するとしてムハンマドの画を含む風刺画を掲載していたが、これら風刺画に対してイスラム教徒から大きな反発が起こっていたのである。
もともと、「シャルリー・エブド」の週刊風刺新聞はフランス全体に支持されていた新聞なわけではない。どちらかと言うと、下半身を丸出しにした人物が多く出てくるお下劣な作品を好まない人の方が多かったと言えるだろう。そのため、「シャルリー・エブド事件」時には、新聞社の業績もあまりよくなく、風前の灯火状態だったのだ。そんな状態の新聞社を舞台に、イスラム過激派の事件が起こり複数の人が殺害された。
しかしたとえ新聞社の表現内容を支持していなくとも、風刺画を描いたことに対しての報復が殺害という卑劣な暴力で返されるのには黙ってはいられない。そこで、この事件をフランス全体への攻撃と位置づけられ、自由に主張ができる「表現の自由」守ることをスローガンに掲げ、フランス各地で数万人の規模によって犠牲者の追悼や集会が行われた。
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