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カメラは見た!米有権者の熱

Japan In-depth / 2020年11月8日 19時0分

選挙とは神聖な権利を行使するもの、とまでは言わないがもう少し真面目にやれ、と思ったものだ。





肉弾で戦うプロレスを見るおもむきで、テレビの選挙広告や討論会で相手候補を罵倒、湯水のようにあからさまに公然と選挙資金を投入し、宣伝するさまは、まさにプロレスそのものだという気がしてならなかった。





今年の選挙においては、当初この「祭りの熱狂」がなかった。





言うまでもなく、原因はコロナ禍だ。選挙序盤の時期は新型コロナで多くの死者がでていたころと重なる。大統領選挙は国民の頭の隅に追いやられていたかも知れない。





だが、その後の半年で、社会状況は著しく変化した。





変化は今までにないレベルで、皆の生活や日常を直撃した。考えや主張は違えど、ほとんどの国民は共通に辛く、苦しい経験を共有した。





そして11月3日の投票日を迎える今こそ、国民である証、権利を行使すべき時が来たのだ。





「パーティーチケット」は史上空前の売れ行きだったらしい。加えて、今年の選挙ではいつもの選挙の「熱狂」とは別の、人々の「情熱」を見た。





投票日の10日前にあたる土曜日10月24日の朝7時。





ニューヨーク州ではこの日から始まった期日前投票の会場となったNBAで有名なブルックリンのバークレー・センターに仕事で出向いた私は、心底驚いた。





巨大な施設の四方をぐるりと取り囲むように並んだ投票者の列の長さは1キロ近く。1000人前後の人が投票の列に並んでいる。





アメリカは通常、投票日が週末と重なることはない。投票する人は自分の週末の時間を削ってここに並んでいるのだ。これはアメリカでは非常に珍しい光景だと思う。





その後、昼過ぎに通りかかったマンハッタンの投票所であるマディソン・スクエア・ガーデンでも同様であった。





▲写真 期日前投票に並ぶ人々(10月25日、マディソン・スクエア・ガーデン):筆者撮影



期日前投票初日のこの日は午後4時で締め切りのはずだったが、その後訪れたハーレムの投票所でも、時間を過ぎているというのに500人あまりの人がまだ並んでいた。





投票所から出てきた人、数人に話を聞いてみた。





皆、3時間から4時間並んだ、という。だがその表情に疲れは見られなかった。それどころか皆、嬉々としている。投票を終えたという満足感なのか、人々の凛とした姿に心打たれた。誰もが物事を達成した、と言わんばかりの満足感にその表情は満ち溢れている。





▲写真 投票済みを記したステッカー胸に貼り記念写真を撮る人(10月24日、ハーレムの期日前投票所):筆者撮影



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