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バイデン政権、温暖化シフト【2021年を占う!】米・環境政策

Japan In-depth / 2020年12月28日 11時0分

■ 気候変動シフトの人事





バイデン次期大統領は政権発足に向けての人事構想を次々に発表しているが、米国の気候変動外交の顔となる気候特使にはジョン・ケリー元国務長官が指名された。





▲写真 ジョン・ケリー元国務長官(2010年12月) 出典:flickr; Center for American Progress



ケリー元国務長官はパリ協定合意に大きな役割を果たし、トランプ政権時代はパリ協定にコミットした州政府、米国企業によるWe Are Still Inイニシアティブの顔としてCOP会合のサイドイベントに登場し、大統領選に向けてはバイデン・サンダース合同タスクフォースの気候変動関連部分をアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員と共同でとりまとめた。





オバマ政権と異なり、気候特使を国務省ではなく、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)に設置したことはバイデン政権の下で気候変動問題が国家安全保障にかかわる重要問題として位置づけられていることを意味する。





▲写真 アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員 出典:nrkbeta



国内気候変動政策の司令塔としてホワイトハウスに新設される国家気候アドバイザーにはジーナ・マッカーシー元環境保護庁(EPA)長官が指名された。トランプ政権時代は環境NGOのNRDC(Natural Resource Defense Council)のヘッドを務めてきた。





また経済政策の司令塔となる国家経済会議(NEC)議長にはブライアン・ディーズ氏が指名された。ディーズ氏はオバマ前政権時代に行政管理予算局(OMB)副局長やNEC副委員長、気候・エネルギー担当の大統領特別補佐官を務め、パリ協定交渉にも関与した。トランプ政権下では米資産運用会社ブラックロックの持続可能投資部門のトップを務めている。ディーズ氏の起用はコロナからの経済回復策においても温暖化対策を中核に据えようという意図がみえる。





個別のエネルギー環境政策を遂行するエネルギー長官、EPA長官にはそれぞれ元ミシガン州知事のジェニファー・グランホルム氏、ノースカロライナ州環境保護局ヘッドのマイケル・リーガン氏が指名された。また政府の歳入歳出の面で温暖化対策に影響を与える財務長官には炭素情報開示やカーボンプライシングに熱心なジャネット・イエレン元大統領経済諮問委員長が指名された。





全体としてバイデン政権における布陣は温暖化シフトともいえるものであり、まさしくトランプ政権の真逆をいくと言えよう。





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