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「キャリア官僚システムの改革を」国民民主党国対委員長古川元久衆議院議員

Japan In-depth / 2021年3月11日 15時0分

官僚をめぐる問題の根本のところでキャリア官僚のシステムを公務員試験のところから見直す必要がある。





安倍: この問題は、国会で議論されたことはあるのか?





古川: あまりされていない。いま日本が直面している様々な課題に立ち向かうためには、政府の中に優秀な人材が必要だが、現状ではなかなか難しいと思う。今回デジタル庁が外から人材を募集するそうだが、民間と比べて見劣りする年収一千万円あまりという条件でどれだけ優秀な人材が集まるだろうか。





ただ、数年間だけなら報酬が低くても国のために働きたいというパブリックな意識を持った人は少なからずいる。そういう人のニーズに応えられるような仕組みに官僚システムを変えれば、優秀な人を採用することができるのではないか。





イギリスでは省庁の管理職はポスティング制度で採用しており、私が政権にいたときに日本でも同じように管理職はポスティング制度で選ぶことにする案を考えたりもしていた。職務の内容と任期、報酬を明示して、この条件でやりたい人が手を挙げる。役所の中から若手が手を挙げてもいいし、外の人間でもいい。だれでもやりたい人が手を挙げられる仕組みだ。しかし今のキャリア官僚システムを根本から変えることにつながるため、ポスティング制度は議論はしたものの具体的な制度化の議論までには至らなかった。





安倍: 金融庁などは民間から登用しているが。





古川: 金融庁は新しい官庁のために限定的に新しいキャリアパスができつつあるのではないか。ただ、国家公務員総合職試験に合格すれば将来管理職に就くことが約束されているというのは時代錯誤ではないか。試験に合格したからと言って、その後ずっと官僚として優秀かどうかはほとんど関係のない話だ。民間の人が自分のキャリアパスとして、何年間か行政に関わっていけるような仕組みが必要だ。





安倍: 農水省に民間企業から女性の方が入った。給与は激減したが、農政に関り発信していく仕事がしたいと期間限定で入省したと言っていた。





古川: そういう変化の兆しも見えてきているが、あくまで枝葉の部分で、幹の部分はキャリア官僚が担っていることには代わりない。枝葉の部分の人、外から来た人から次官は出てこないだろう。外部から目玉として登用してくることはあっても、今のキャリアシステムでは、それ以上の地位には就けない。





有力な同期が3人いて、誰が官房長になるかという場合、現状だと、官邸からの受けが良い人が選ばれやすい。そこで忖度に繋がってくる。しかも、1年くらいでポストが変わり、チャンスが毎年のようにあるので、余計な下心が生まれやすい。人間には抗えない性があるのだから、制度にもそれを防ぐための工夫が必要だ。もし任期が3年ないし5年などと決まっていたら、その期間は忖度が働きにくくなるのではないか。





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